魔都ガラ・ルーファ(七)
「ザイドフリードさん、あなたは子供ですね」
「なに?」
「ただ闇雲に力を求めて、力を持て余して、その力で何をしたいかもわからず、ただ振るうだけ。自分が傷つきたくないばかりに人を傷つける、
「
「【
魔龍公とすれ違う直前に
再び
「一人で背負うんじゃないって言ったわよね!弟子のくせに!」
フリエちゃんの魔法が呼び寄せた木の葉が、木の実が、下草が、魔龍公に
「あーしにも
風を裂いたイブの尻尾が巨体を捉え、私に向けて打ち上げられました。
そうです。私一人で勝てなければ、みんなに助けてもらって良いのです。私は自分が弱いことを認めることができるオトナなのですから。
「【
「お前らのような
所有者の質量を操る夜の
「ふう……あとはお願いしましゅ……」
家宝の短剣を手放して落ちていく私を受け止めてくれたのはイブでしょうか、それともフリエちゃんでしょうか。もう疲れたので目を閉じてしまおうかと思いましたが、私には最後まで見届ける責任があります。そう思い地上に目を向けると……
「俺は逃げねえぞ、格好悪いからな!」
そう宣言してエミーロ君が突き上げたのは、彼が尊敬していたマエッセンの長剣。
「ぴゃあ!」
私は驚いて変な声を上げてしまったのですが、違いました。魔龍公がまだ生きていたのではなく、アイナさんが大きな体を使って地面との間に隙間を作ってくれていて、そこからエミーロ君が這い出してきたのです。
「どさくさに紛れてアイナのおっぱい触ってんじゃないわよ!エロガキ!」
「さ、触ってねえよ!」
……やがて侯爵様のお城の一角から白い
後で聞いたところでは侯爵様はただ一人、誰もいない広間で玉座に座っていたといいます。
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