魔龍公アウラケス(四)
まったくもう。魔龍公って奴、偉そうなくせにやる事せこいんだから。ロナがいない時に突然攻めてきて、ちょっと負けそうになったら今度は放火って。捕まえたら地面に埋めて顔だけ出して、踏んずけながら小一時間説教してやるわ。それにしても……
「ああもう!面倒ね!」
いくら【
【
「おい、水ならここにあるぞ!」
下からエロガキの声。名前は忘れちゃったけど子分を三人連れて裏の井戸から水を汲み上げ、近くまで水桶をいくつも持ってきていた。
「ふん、エロガキにしてはやるじゃない。【
二階のカーテンから上がっている火を消して急旋回、すぐ後ろで振り回された尻尾に空を切らせる。振り返りざまの【
「おおい、助けてくれえ!」
その声に地上を見下ろすと、エロガキ四人組が三匹の
「貪欲なる火の精霊、我が魔素を喰らいその欲望を解き放て!【
さすがアタシ。必殺の【
「おっかねえな、あのクソガキ」
「なんか言った?」
また無駄な会話の隙に近づいてきた
「おい、気を付けろ!また来るぞ!」
「わかってるわよ!何匹来たって同じ……っ!?」
でも今度の奴は違った。アタシの【
「アンタは!」
「誰?てか誰?
確かイブリリスって名前だったかしら、魔龍公の娘。
「もう!アタシは忙しいのよ、どっか行って!」
「それお願い?
「どうせ聞く気はないんでしょ。アンタを撃ち落としてからにするわ」
「じゃあ言わなきゃいいのに。やっぱ
口は悪いし性格も悪い、でもコイツ強い!少しでも
「あれえ?あれだけ言っといて口だけ?逃げるだけ?恥ずかしくない?」
「くっ……【
「あはははは!やっぱバーカ」
つい苦し紛れに【
「はあはあ……遅くなりました」
「ロナ!遅いじゃないの!」
「ロナちん、今あーしの顔蹴った?蹴ったっしょ?いくらロナちんでも許せないんですケド!」
ふう、ようやく帰ってきたわね。あんな奴アタシだけでも勝てたけど、ここは弟子に譲ってあげるわ。アタシは火を消すのに精一杯だもの。
そして……水を汲もうと向かったお城の裏手で、木の陰から様子を
「ザイドフリード!どうしてここに!」
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