魔龍公アウラケス(三)
騎士として二百余年、骸骨騎士として百余年。長きにわたりレント家にお仕えして参りましたが、どうやら今日でお
心残りはございません、いつかこの日が来ることは避けられぬ
先代様が亡くなられ、やがて病魔に侵された奥方様はいざという時のために私を封印致しました。まだ幼い娘を残して世を去らねばならぬご無念、いかばかりかと存じ上げます。
昼なお暗い
願わくば先代様の代わりにお
『私は
するりと間合いを詰め、敵の只中にてゆるりと剣を舞わせば、
『さあ龍どもよ。このマエッセンの剣舞、止めてみせよ』
『良いでしょう。城内では後始末が大変ですからな』
城外に逃れた龍どもは宙に舞い上がり、一斉に高熱の炎を浴びせかけまする。広い屋外であれば翼ある彼らが有利、
『それを油断と呼ぶのでございます』
身を
『……さすがに無傷とは参りませんか』
見れば肋骨が三本ほど欠け、先代様より授かりし軍服も左の肩から脇腹にかけて大きく焼け焦げておりました。もし私に血肉があれば激痛に
『む……?』
やけに攻めの手が緩んだものと
『卑怯なり、魔龍公!魔貴族たる誇りがあるならば我が剣を受けよ!』
その声に応えたか、僅かばかり恥を知る心根が残っていたか。陽光を
「
巨躯に
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