ロナの四騎士(一)
これが本物の二日酔いというやつなのでしょう、体調が戻ったのはその日の夕刻になってからでした。私を送り届けてくれたイブはとっくに『龍の巣』に帰ったそうです。
「うう……夕食はスープだけで結構です」
まだ少し吐き気が残っているのですが、リーゼロッテが作ってくれた玉葱スープを少しずつ
「無事に帰って来れて良かったよ。お姉ちゃん心配したんだからね?」
「まあこいつ、おっさんに好かれそうだからな」
「まったくもう、気をつけなきゃダメよ!男はみんな
夕食後には食堂に残ったアイナさん、シャルナートさんとの三人で今後の対応を話し合うことになりました。
「魔龍公の怒りは収まらねえだろうが、どうせ
シャルナートさんの声も表情も、いつになく真剣です。いつもの軽薄そうな口調と
「ロナ、
珍しく
……ちっ、嫌な雨だ。雨も雷も気配を隠すには絶好の条件だ、この分厚い雨雲じゃあ月明かりも届きやしねえ。
嫌な予感がしやがる。ひりつく勝負も分の悪い賭けも嫌いじゃねえが、数字や理屈じゃ説明できねえこの『予感』ってやつが厄介だ。終わってみればただの気のせいで済むこともあれば、忘れられねえ後悔の種になることもある。
死と隣り合わせのこの仕事、こういう『予感』が無ければ長生きできねえ。だが今回ばかりはこれを無視して動かなきゃならねえ、しかも
「よう、待たせたな」
黒い
雷鳴が
「ちっ!」
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