魔龍公とロナの四騎士
魔貴族の夜(一)
アイナさんと一緒に
「ちょっと、また変なのが来てるわよ!」
「また?」
確かに最近の
答えはすぐにわかりました。フリエちゃんに
ただ待っていただけではありません、呆れるシャルナートさんの前で盛大に骨付き肉を食い散らかしています。食器を使うという概念が薄い種族なので仕方ないのですが、テーブルや椅子に
「イブ、留守にしていてごめんなさい。急にどうしたのですか?」
「ロナちんうぇーい。ちょっち食い終わるまで待ってて」
中の方はほとんど火が通っていない骨付き肉を荒々しく食べ終えたイブは、まだ血と脂がついている骨を後ろに投げ捨てました。あまり常識にこだわりそうもないシャルナートさんもさすがにこれは頭にきたのでしょう、こめかみに青筋を立てています。
「おかわり」
「ねえよ。いい加減に用件くらい言ったらどうだ」
名残惜しそうに脂まみれの指を嘗めたイブはようやく用件を伝えたものですが、それは私にとって非常に驚くべきものでした。
「『
「『
「今すぐ。超巻き巻き。魔大公来てるもん」
「魔大公さん!?」
これは大変です。急いでお部屋に向かい、正式な服装に着替えます。黒いワンピースに裏地が赤い黒
『
今このあたりにいる魔貴族、それも『
もちろん嫌です、怖いです。魔大公さんは顔を見たこともありません、どんな会合なのかもわかりません、何を話し合うのかもわかりません。でも魔貴族にとって『
視線を動かすと、私を抱いたお父さんとお母さんの肖像画が微笑んでいました。
「ちょっと『
そう伝えてもう一度鏡の前でくるりと一回転。意を決して部屋を出ました。
「魔血伯ロナリーテ、『
「へえナマイキ、それっぽいじゃん。じゃあ連れてったげる」
窓から飛び出したイブに続いて、私も開かれた窓の枠に足を掛けました。
「待って、ロナちゃん!」
「おい待て、俺も……」
「急ですみません。アイナさん、シャルナートさん、お留守をお願いします」
言葉と同時に家宝の短剣をひと振り、水色の空に飛び出します。
「【
イブが
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