闇の城防衛戦(三)
黒いとんがり帽子に黒
水色の空を舞い、木々の間をくぐっては再び舞い上がり、互いの背後に回ろうと小さく旋回。さながら
「天に
ですが。フリエちゃんが放った【
「威力、精度、詠唱速度、何もかもが未熟だな。一体何を学んできたのやら」
「うるさい!いつまでも先生
あのザイドフリードさんというおじさんは確か、ガラ・ルーファの収穫祭で出会ったロセリィちゃんと一緒にいた魔術師さんです。会話から察するにフリエちゃんの先生なのでしょうか。だからなのか、
「
「うるさい、うるさい!陰険!幽霊!
ですが。経験の差は
「きゃあっ!」
「ふん、他愛もない」
その隙を突いたザイドフリードさんの【
「絶対、絶対諦めないんだから!貪欲なる火の精霊、我が魔素を喰らいその欲望を解き放て!【
フリエちゃんは最後の魔力を使って勝負を賭けたのでしょう。しかしそれも軽やかに急旋回したザイドフリードさんを捉えることはできず、【
とうとう力尽きたのか、
「【
それを見た私は家宝の短剣をひと振り、
「……なんでよ。なんで?アタシは天才なんだから。アタシが守るんだから。今度こそ、今度こそ……」
魔力を使い果たして意識が
「皆を守ってくれて、ありがとうございます。今度は私が守りますからね……いただきましゅ」
気を失ってしまったフリエちゃんの首筋に牙を当て、優しく力を入れました。
美味しくはありません、血を吸うことは好きではありません。ですが今は、どうしても皆を守る力が欲しいのです。
「……フリエとやら、かような羽虫ごときに敗れるとは未熟なり」
だが。この者未熟なれど、非凡なる輝きをその身に宿しておる。いずれは
「この者、死なせるには惜しい。
『御意に』
「羽虫よ。魔血伯ロナリーテに血を吸い尽くされる覚悟、できておろうな?」
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