第十九話:アギ魔隊総戦力VS魔王
私
(私がデルタに侵食されてる...!)
デルタ
(どんな気分だァ? オレがこの体の主導権を握る日も遠くねぇかもナァ?
オレの強すぎる体はテメェの能力程度じゃ完全に乗っ取れネェ、
穴を見つけてすぐ体を取り戻してやるゼ)
私
(うるさい...!)
「騒ぎが落ち着くまでお前たちは家に帰ってろ、それと御巫、まぁ漆原とかもだが、
あの化け物と交戦したやつからは事情聞くから少し残ってくれ」
私
「はい...」
そうだ、ついさっき人が死んだ。しかもウチのクラスメートの白雪が。
日本でも一番信頼を置かれていた高校で、魔物に襲われて生徒が死ぬなど、
前代未聞の出来事である。大失態にも程がある。そして私の中でも色々起き、
整理もつかないまま事情徴収を受けた。そして白雪を襲った魔物?
の詳細を聞かされた。その魔物はlv.5で、
3年前に確認されるも今日まで逃げ仰せていたらしい。
そしてまた逃げられたんだと。アギ魔隊は何してるんだか、と責めたくはなるが、
どうやらこの3年間でその魔物が身につけた力が未知数らしい。
もしかしたら手に負えない戦力があの魔物にある可能性があるんだって。
そして今日の夜、あの魔物を掃討する作戦が決行される。
信用を取り戻すとともに早急な不安要素の排除が目的らしい。
捜査官
「こちらから言えることはこれくらいだよ。
協力ありがとう、帰っていいよ」
私
「ありがとうございました...ってアレ? 漆原?」
ドアを開けて部屋を出ると、前に漆原が佇んでいた。
私
「無事だったんだ? まぁ死んじゃいないとは思ってたけどね」
漆原
「先生も何とか無事みたいですよ」
私
「それはよかった、今日は色々あって疲れたから、
そろそろ寝ようと思ってんだけど何か用?」
漆原
「いえ、ただ少し話をと思いまして」
私
「話って?」
漆原
「白雪くんの件です」
私
「あぁ、そう...」
二人は近くのベンチに座り込んで話をする。
漆原
「僕のチームメイトで...
物分りが良くて強かったんですよ、彼。僕と仲良くしてくれますしね」
私
「へぇ...そんな人が...」
漆原
「あの人...まだまだこれから強くなれる人でした。
これからこの学校で、絶対もっともっと強くなって、
僕と並ぶかもとまで思ったのですが...」
私
「どうだか...」
漆原
「ポテンシャルはあるって事です。そんな彼を守れなかった...
あろうことか吹き飛ばされて気絶している間に、
随分と凄惨な死を迎えたそうじゃないですか。僕は悔やみきれなくて...!」
私
「私達が悔やんでもしょうがないでしょう、まだ学生よ?」
漆原
「なんでそんな冷静でいられるんですか...?
大体あの魔物を吹き飛ばせるのなら、
なんで白雪くんが殺される前に吹きとばせばよかった筈だ!」
私
「私だって混乱してたわよ、しかも吹き飛ばせてない可能性だってあった。
賭けだったのよ、吹き飛ばせずに私が殺されるかもだし」
漆原
「言い訳しないでくださいよ...!!」
私
「まさか私せいにしようとしてんの? いい加減にしてよ、
やり場のない気持ちをいちいち私に押し付けんな!
私だって助けられる力があったらそうしてたわよ」
漆原
「ッ!!! すみません、言い過ぎました。
この件で貴方が責められることなど無いのに...申し訳ありません」
私
「今日はもう帰りな、明日からはこんなことが無いよう、私も強くなるわ」
漆原
「そうですね、泣き言言ってる暇があれば特訓あるのみですね。
つくづく頭が上がらない」
こうして御巫は自分の部屋に行き、掃討作戦の無事を祈りつつ寝た。
視点は掃討作戦に移る。
アギ魔隊壱番隊"陽"隊長:
「これより掃討作戦を開始する」
東京、新宿にアギ魔隊の総統たるメンバーが集まる。
アギ魔隊弐番隊"火"隊長:
「さて、気合を入れてくか」
アギ魔隊参番隊"金"隊長:
「ホホホっ、久々の戦闘で胸が高鳴るのぉ!」
アギ魔隊肆番隊"地"隊長:ガイア
「たかが一匹の魔物にこれだけの兵士が必要なんですか?」
アギ魔隊伍番隊"海"隊長:
「馬鹿、聞いてなかったのか?
もしかしたら強めの魔物引き連れてる可能性がかもって話でしょうが」
アギ魔隊陸番隊"木"隊長:
「にしてもアギ魔隊全体員が揃うとは...圧巻であるな」
アギ魔隊漆番隊"冥"隊長:
「だねぇ〜、ワクワクしちゃうな〜♪」
アギ魔隊捌番隊"土"隊長:
「つっても9番隊が居ねぇぞ」
アギ魔隊玖番隊"天"隊長:
(愚か者め、私は裏から支援するい決まっておろう。
私が前線に出たところですぐ死ぬだけだ)
皆の脳内に玖番隊の副隊長の能力で話しかける賢崎。
アギ魔隊拾番隊"水"隊長:
「その能力クソ便利っすよね〜。今度僕にも使わせてくださいよ〜」
アギ魔隊玖番隊"天"副隊長:
(嫌っすね、僕のアイデンティ奪われるとか溜まったもんじゃない)
こうしてぞろぞろとアギ魔隊が集まる。
漆番隊"冥"隊長:古近衛謙信
「ほんとに魔物がここに出るの〜?」
壱番隊"陽"隊長:天城雄介
「あぁ、来るぞ」
ド"ゴ"オ"ォ"オ"オ"ォ"オ"オ"オ"ォ"オ"ォ"オ"オ"ォ"オ"オ"ォ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"オ"オ"ォ"オ"オン"...!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
大きな衝撃と共に、次々と姿を表す魔物達。
天城以外のアギ魔隊隊員達はその大量の魔物達への対応へ追われた。
Cクラスを襲った魔物
「ガッハッハッハ!!! 宣戦布告だ人間共! 一匹残らず狩り尽くせ!」
天城
「フンッ!」
シュバッ...!
天城は自らの剣を取り出してCクラスを襲った魔物に切りかかる。
Cクラスの魔物
「その剣...魔物特攻か...なるほどな」
魔物の腕を切り落とした天城だったが、天城は至って冷静であった。
天城
「勘違いしているようだから忠告しておくが、狩られる
ただまぁ、狩る前に名前くらいは聞いておいてやる」
Cクラスの魔物
「名前? 俺様に名前など無いが...今後は魔王を名乗るつもりだ」
天城
「肩書きが名前など実に虚しいな」
Cクラスの魔物改め魔王:オリオン
「ではオリオン、今日から俺様は魔王オリオンを名乗る」
天城
「ならオリオン、貴様を魔王として派手に葬ってやる」
オリオン
「葬る? 我は貴様を殺すために今日、また地上に現れたのだ」
そういって魔王は天城に殴りかかる。しかし、天城の周りにはバリアが展開され、
魔王はバリアに傷一つ付けられなかった。
天城
「貴様の拳は俺に届くことはない。そして反撃の時間だ」
天城は剣を構え、
ズアァァアアアァアアン!!!!!!!!!
その剣先からは電撃が放たれ、魔王に直撃する。
オリオン
「...貴様の剣は電撃にも魔物特攻を乗せられるのか」
天城
「それがわかった所でどうにもなるまい」
天城の猛攻を押しのけ、魔王は一度天城から距離を取る。
天城
「考える隙など与えぬ。穿て!」
天城は弓を構えた瞬間に解き放ち、轟音を立てながら魔王に突き刺さる。
オリオン
「ッ...!」
天城
「何があろうとこの天城が早急に殺してやる」
天城の能力は複数個ある。その内の三つは勇者の力。
魔物に絶大な威力を放つ剣が一つ。不壊の盾が一つ。
引き絞ると世界の時を遅くする弓矢が一つ。これらを合わせた三つが勇者の力。
4つ目は加護の力。不可避、不防御の攻撃を自動的に弾く事が可能。
ただし一日に10回までしか発動出来ない。5つ目は雷撃の力。
自分の攻撃に雷を付与し、放つことが出来る。また、
勇者の剣の魔物に対して放つ絶大な威力のバフを雷撃に乗せることも可能。
オリオン
「事前の情報と合わせるとこんな所か」
天城
「意外に俺の能力が割れてるな」
オリオン
「そしてそれを突破する方法が一つ!!」
オリオンが天城に殴りかかると、天城のバリアが割れた。
天城
「!?」
状況が理解できぬまま、吹き飛ばされる天城。
オリオン
「学校を襲撃した時に得た力だ。俺様の力は略奪の力。
5個まで他人の能力を自分の物にする事が出来る」
天城
「借り物でしか戦えないのか...哀れだな」
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