第十話:大罵倒ドッジボール大会

前回までの状況

前回までの状況


漆原チーム

元外野:漆原 蛇目 緋縅  脱落した外野:有田

内野:片桐 有栖 尾野田 猫羽 天摩 彦凪 音弥


御巫チーム

元外野:月守 志熊 神園  脱落した外野:獅子葉 氷村井 白雪

内野:御巫 佐久間 胡桃沢 白鳥 音無


ボール:御巫チーム


「殺す!」


ギュゥウゥウウゥゥウウゥウウン...!!!

思いっきり振りかぶってボールを投げる


猫羽

「危な...いっ!?」


ボールは剛速で曲がり、猫羽はそのまま脱落する。


アナウンス

「猫羽、退場」


猫羽

「クソ〜、まあいいや、外野からぶっ潰す!」


ボールは御巫チームの外野から始まる。


白雪

「早々にオレを退場させたツケ、返させてもらうぞ!」


白雪が間髪入れずにボールを投げる。


尾野田

「させるか!」


そのボールが内野に届く前に、ギリギリでキャッチする尾野田。


「あの野球部野郎...!」


尾野田

「とりま、敵チームのリーダー狙いっしょ!」


尾野田は御巫に向けてボールを投げる。


佐久間

「させません!」


横からジャンプでキャッチし、そのまま敵チームにボールを投げる佐久間。


有栖

「あらまっ」


アナウンス

「有栖美玲、退場」


佐久間のボールは有栖へとヒットし、ボールは漆原チームから始まる。


音弥

「やるじゃねぇか、だが甘い!」


外野の漆原に向けてボールを投げる。


胡桃沢

「だと思ったし!」


その軌道を読み、ボールをキャッチする胡桃沢。


漆原

「何だと?」


「ナイスギャルちゃん!」


胡桃沢

「せめて苗字か名前を文字ったあだ名で呼んでよ、ムグち」


(ムグち!? つむぐっちでムグちか、分かり辛!

だったらコッチも変化球で行くか)

「オッケー、るみちゃん!」


るみちゃん

「く"るみ"ざわ、ってことね、初めて呼ばれるけどいいじゃんっ!

 私に筋力は無いから託したよムグち!」


「託され...たっ!!」

(理解早いな、流石ギャルだ...

取り敢えず今は確実に人数を減らす...そのために弱そうなあの子から!)


御巫はさっきからオドオドしている天摩にボールを投げる。


天摩奏

「わわっ、キャッチできた! 御巫さん、

 私を楽に倒せると思って私に投げましたね!?」


そのオドオドした挙動からは考えられない速度で球を投げる天摩。

御巫はギリギリでキャッチした。


「数的有利を取りたいの! そのための犠牲になってくれたら助かる!」


御巫の球は天摩の横を過ぎ去り、外野の月守の手に渡る。


月守

「ごめんね」


月守の優しい球は天摩に直撃した。


アナウンス

「天摩、退場」


音弥

「元外野、蛇目と緋縅を内野に入れる」


蛇目(下っ端気質のやつ)

「了解っす!」


緋縅(棘のない棘の能力のやつ)

「分かりました!」


「マ!? その手あったの忘れてた」


胡桃沢

「じゃあコッチも一人か二人内野に連れてくれば良いんじゃない?」


志熊

「では、オレが行こう」


佐久間

「頼りになります!」


試合は漆原チームの彦凪ボールで始まる。


彦凪(スカしてる環境適応のやつ)

「くだらねぇ!」


くろえ

「危なっ!」


音無黒江の横を掠めた球は漆原の手に渡る。


漆原

「どらぁああぁああぁぁあぁあ!!!!」


思いっきり振りかぶって投げる漆原。


「またあのボールが来る!」


白鳥

「コレを止めたら天下っしょ!!」


漆原の剛速球は白鳥の腹に直撃し、白鳥をダウンさせる。

だが白鳥は球のセーブに成功していた。


白鳥

「っしゃ天下いただきぃ...」


漆原

「マジですか」


腹を抱えながら御巫にボールを差し出す白鳥。


「よくやったわ! それじゃ、反撃といきましょうか!」


意気揚々とボールを投げる御巫。


彦凪

「あ"ぁ"!?」


思いっ切り回転がかかったそのボールは、彦凪の手からボールがこぼれ落ちた。


アナウンス

「彦凪哲也、退場」


彦凪

「クソがよ...!」


「スカしてるカスを倒せる...フフ、良いザマね。

 ドッジボール、楽しいかも」


デルタ

(最低だナ)


蛇目

「それじゃ、食らえっす!」


蛇目の投げた球は慣性が働かずにぐわんぐわんと曲がりながら白鳥に当たる。


アナウンス

「白鳥雷也、退場」


白鳥

「うそだろ! あんなの躱せるかよ!

 ってか能力の類じゃないのか!?」


(何だアイツ、下っ端みたいな雰囲気のくせに滅茶苦茶強い!)

「蛇目君から先に潰しましょう」


志熊

「承知」


無言無表情でボールを投げる志熊。音弥は片手で受け止めた。


音弥

「そう何度も当てさせるか、反撃だぶち殺す」


ビュゥウウゥウウゥウウン...!!!!


くろえ

「あぎゃぁあっ!?」


佐久間

「何っ!?」


音弥のボールは佐久間と音無黒江に直撃、残る内野は3人となった御巫チーム。

対して漆原チームは5人の内野と元外野の漆原がいる。


アナウンス

「佐久間星義、音無黒江、退場」


くろえ

「ウチの出番どこ!?」


佐久間

「申し訳ありません! 後は託します!」


「了解、まずは雑魚からいく!」


片桐(演技が上手すぎて本性わからないやつ)

「ワタシ!?」


戦力差に絶望する間もなく御巫はボールを投げる。


片桐

「きゃあっ!」


アナウンス

「片桐阿佐美、退場」


「まだまだぁ!!」


尾野田

「もうコレ以上は暴れさせないっすよ!」


御巫が再び投げたボールをキャッチして反撃する尾野田。


胡桃沢

「この程度ならウチでもキャッチ可能っ! 次は志熊っち頼んだよっ☆」


志熊にボールをパスする胡桃沢。


志熊

「無論!」


右肩の関節が外れる程に力を込めてボールを投げる志熊。

右肩の犠牲の甲斐あって、尾野田にボールが直撃する。


尾野田

「マジか!?」


アナウンス

「尾野田孝太郎、退場」


尾野田

「申し訳ねぇな、後は頼んだぜ」


蛇目

「任せてくださいっす!」


蛇目が魔球を投げる。


胡桃沢

「痛っ!?」


アナウンス

「胡桃沢紅葉、退場」


胡桃沢

「ココで終わりかぁ、頼んだよムグち! 後で連絡先交換しよっ!」


「うん! ってか志熊くん肩大丈夫?」


志熊

「オレは両利きだ」


「そういう問題じゃないでしょ、まぁいいや。

 月守さん神園さん、内野お願いします!」


月守

「はいは〜い」


神園(ジメジメ女のやつ)

「わかりました...ずっと外野にいたかった」


外野は内野へと移り、月守ボールからスタートする。


音弥

「またシゴき倒してやるよ」


月守

「勘弁してください、よ!」


音弥に向けてボールを投げる月守。音弥はギリギリでキャッチする。


音弥

「元担任にボールを投げつけるとはいい度胸だな!?」


月守にボールを投げ返すも、月守はそれをキャッチする。


月守

「アンタがココに呼んだんでしょうが!!」


と言いながら音弥にボールを投げると見せかけ緋縅にボールが当たる。


緋縅

「痛ぁ!」


アナウンス

「緋縅仁美、退場」


緋縅

「そんなぁ〜、まぁいいや、最強の3人がいるしね」


音弥

「卑怯だろお前!」


そう言いながら神園に投げる音弥。


神園

「あっ、当たった...私何もしてない...」


アナウンス

「神園京、退場」


「先生も月守さんと同じ手使ってるし...あの人わりとゲスか?」


デルタ

(それお前が言うカ?)


「そろそろ退場してください先生!」


御巫も音弥に投げると見せかけて蛇目に投げる。


蛇目

「危ないっスね!?」


ボールの軌道の先には外野の獅子葉がいた。


蛇目

「マズっ」


獅子葉

「ダラァァァアアァアァア!!!!!!」


アナウンス

「蛇目健太、退場」


音弥

「よし漆原、内野入れ」


漆原

「正直、ここまで追い詰められるとは想像してませんでしたね」


「言うじゃない、ゴキブリのくせに」


漆原

「へへへ、ゴキブリを知らないからそんな事が言えるんですよ」


笑顔(?)で志熊にボールを投げる漆原。

バチィイィイイィイイン...!!!!

志熊の身体にボールが当たった音が鳴り響く。


志熊

「あがぁあ!!」


アナウンス

「志熊十三、退場」


志熊

「かたじけない、ヤツは規格外だ」


月守

「お互い残り二人ずつ、気張ってくっスよ」


「はい!」


月守と外野で音弥に向けて投げるも、音弥はボールを躱し続ける。


音弥

「お前能力無しじゃそんなもんか?」


月守

「うるさいっスね! 確実にそこに追い詰めてるんっスよ!」


音弥は躱し続ける間に、外野の近くにまで移動していた。


白雪

「どらぁぁああ!!!!」


白雪が至近距離からボールを投げるも、ギリギリで躱される。


音弥

「危ねぇ!?」


月守

「今だぁ!!」


しかし白雪のボールは月守の下へ行き、月守のボールは音弥に直撃した。


アナウンス

「音弥源治、退場」


月守

「っしゃあ! ざまあねえな! 元担任だからってイキんなっスよ!

 能力無しの生徒に自分の能力で負けてやんのぉ! アハハハハ!!!」


音弥

「アイツは後で殺す。漆原、後は頼んだぞ」


漆原

「かしこまりました。では一対一で仕切り直しと行きましょうか」


ビュゥウゥウウウン...!!!!


目にも止まらぬ速さのその球は、振り向いた時には既に月守に直撃していた。

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