第四話:試験開始とレスバトル
前回から二ヶ月ほど経過し、いよいよ試験当日になりましたとさ。
筆記試験については自信無いです。だって殺される日まで、
「アギだから将来安泰だわ〜」と思ってグータラしてたからね。
勉強しとけば15で死なずに済んだのに〜ってならないように、
一応必死に試験範囲頑張ったけども。
私
「うぅ...腹が痛い...」
デルタ
(最高に調子が悪いのカ?おもしれぇ、そのまま試験落ちて死ネ)
緊張している
私
(うっさいわねアンタ! 結局受験勉強や実戦の対策の時も、
アドバイスはしないくせに、私が弱ってる時に悪口だけ吐く!
しょーもな! 恥ずかしくないの!?
私の中にそんなダサい奴がいるとかマジありえない!
私だってアンタの悪口くらいいくらでも言えるのよバーカ!
言わないだけで言い負かすなんていつでも出来るのよ!)
デルタ
(現状ムカついてんのはお前だロ?
何言ったって効かねぇヨ、残念だったナ)
私
(何よ、元に戻れる可能性があっても死ねと言うのね。
アンタの体の主導権は私なのにね。馬鹿馬鹿しい)
デルタ
(そうだゼ。他人に身体乗っ取られて生きるより死んだほうがマシダ)
私
(じゃあ今アンタ死ぬよりも辛い状況にいるってこと?
へっ、現状ムカついてんの、どっちなんでしょうねぇ〜?)
デルタ
(なんだコイツ!)
私
(ハイ私の勝ちぃ〜! 言われた悪口は倍にして返すのよ! 覚えとけ!)
対魔高学園に向かう道中、することもないのでデルタが売ってきた喧嘩を買った。
私
「アレが魔学...」
東京のど真ん中にそびえ立つ巨大な校舎と広大な敷地。
私
「どんだけの値段かかったんだ〜?」
バスを降り、ほぼ一つの街レベルの学校に今でも怯む
私
「さっ、やれるだけやりますか」
伸脚をして校門を潜ろうとしたその時、ー
明石
「あれっ、つむぐ? おーい!! 奇遇だなぁ!」
校門の前には、見慣れた生理的に無理男がいた。
私
「げっ...何で明石がココにいるの? もしかしてアンタも...」
明石
「そうそう! お前がいなくなってからひたすら修行して、オレ強くなったんだ!
そしたらクラスの奴がよ? お前なら魔学いけるって言うからさぁ〜!」
私
「アハハ...」
(調子に乗せられて東京まで来る財力がコイツにあったの?)
デルタ
(お前いい性格してるナ)
私
「んじゃ、お互い頑張ろ」
明石
「そうだな! ってかお前、どんな能力だったんだ?
危険な能力とは聞いてるんだが...」
私
「それは...また今度ね」
適当にはぐらかし、試験会場へ向かった。
第1次試験、筆記試験。
語学、数学、そして歴史。そんでもってアギや魔物に対する知識。
この4教科の総合得点で1次試験は決まる。
各教科50分で終わる。手応えとしては...無いに決まってるわ!
ただ...全教科50点は超えた気がするわ。
常に赤点ギリギリを綱渡りしてる私からすればかなり上出来よ。
第2次試験、面接。
説明不要。ただの面接ね。
試験監督
「なぜこの学校を志望されたのですか?」
私
(そんなの死ぬかココ来るかの2択だからに決まってるじゃない!)
でも学校内で私の事情を知ってるのは担任になる先生と校長だけらしいわ。
今年は異常に厳戒態勢を敷いてるんだって。
ザルなのか厳しいのかハッキリしてよ。勿論私の影響もあるけれど、
今年はとにかく豊作らしい。豊作揃いなのに私に受かれというの?
無理難題にも程があるでしょ全く! こちとら命かかってんですけど!?
私
「アヘヘ...なんでなんでしょうねぇ...」
(あぁ、これ以上ミスれば死ぬと考えると緊張してテンパる!
テンパって変なこと口走ったし最悪だわマジで! あぁ本当に死ぬかも)
「本校を志望した理由は、本校が第一志望で...本校を見た時に、
私ココに行くしか無いなって直感で感じたんですよ...
私の力って手に余るらしくって...」
試験監督
「なるほど。アギでも大変な人は大変なんですねぇ」
私
「そうなんですよ、アハハ...」
(演技力とか欲しい! せめて緊張くらい隠れるように振る舞えわたしぃ!)
暫くして。
試験監督
「これで面接は以上となります。最後になにか質問はありますか?」
私
「何にもないです」
(終わったかもしれない)
試験監督
「そうですか。では次もありますのでご退室願います」
私
「ありがとうございました〜」
(あそこって何か質問するべきだったのよね!?
間違いなく死んだわ私。折角テストまあまあできたのに!
さよならお父さん母さん。今まで関わってくれた人達、ありがとう)
デルタ
(ゴタゴタうるせぇナ。本番は実戦型の試験だろウ。気合い入れろヤ)
私
(デルタが私を励ますなんて以外ね)
デルタ
(励ましてねぇヨ!)
私
(でも確かに、まだ死ねないか。絶対に性格のいいイケメンと結婚するの。
こっから本気で取り掛かるわ!)
デルタ
(それでこそテメェだナ)
第3次試験。実戦による試験。試験時間2時間。
敷地内に放たれた魔物や教員、現魔学の生徒を倒す。(魔物以外の殺しは不可)
稼いだポイント数に応じて点数が上がる。
いたってシンプルでいいじゃないの。燃えてきた。
戦闘科で受ける皆が各々好きなスタート位置で準備する。
私
(明石め...わざと私の視界に映ってきたな。他には...
何あれゴキブリの擬人化!? 怖っ!
やっぱデメリット背負ったアギもいるのね。いくらアギでも、
あの姿じゃモテないか...可哀想に。でも見た目が人外過ぎる。
身長も2m超えてるんじゃない? 可愛そうだけど流石に気色悪いわ。流石に)
デルタ
(テメェも中身はオレなんだから似たようなもんじゃねぇのカ?)
私
(外面が綺麗だから良いの。アンタだって、
男ウケの良さそうな見た目してるじゃない。
裁縫セットのドラゴンみたいな)
デルタ
(バカにしてんのカ? 他にも周り見てみロ)
私
(何アレ!? ...アギって皆あんな胸大きいの!?
私とて精々Dなのに!?下手したら...あれJカップ?
怖っ!武器じゃん!そういう能力なの!?あれ、
でも案外、A位の娘もいるわね。なんだ、案ずることでもないか)
デルタ
(お前ホントいい性格してるゼ...)
試験が始まるまでの間、周りの人間を観察する
アナウンス
「それでは〜、戦闘を開始します。万が一重傷を負った際には、
教員がなんとかしますのでご安心ください。それでは試験ん〜
開始ぃ〜」
私
「気の抜けたアナウンスね!」
ビュゥウウゥウウン...!!
私
「どりゃぁああ!!!!」
...あの時から分かった事が二つある。
1つ目は、ガソリンはストック出来るってこと。
だから事前に滅茶苦茶運動した。2つ目は私の手の甲の第3関節と、
かかとに穴が開いてること。この穴からガソリンを射出して、
それを発火させる事できる。要するに、
ガソリンを消費して拳とかかとから爆発を起こせる。
私の機動力や俊敏性に足りない火力を、大まかに補えるわ。
そして踵から爆発を起こせば、初速からマックススピードで動ける!
キックの火力も上がる! これが私の身につけた戦術!
女子らしさは無いけど、デルタの力なんだからこんなのでいいの!
ドカァアアァアァアアン...!!!!!
レベル2の魔物を撃破し、次の標的に向かう。
私
「やっぱ気持ち悪いわ...」
デルタ
(何がダ?)
私
(生き物を殺す行為よ! いい気分なんかするもんか!
アンタみたいにバンバン生物殺す事には抵抗があるの!
だから爆炎と爆風で出来るだけ対応するけど、
それでも私が殺したって事実は変わらない!)
デルタ
(面倒くさい生き物だナ)
私
「うるっさい!!」
爆炎を纏っての踵落としでレベル1の脳天をかち割る
私
「さっ、こっからが本番よ。覚悟決めてけ私!」
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