第2話
とりあえずは、動くソフトを作ったけど、発想が良くなかった。
もう一度、市場リサーチから始めよう。ベースは出来ているんだ。何を学習させるかだ。
ここからは、発想力の勝負なんだ。
「今度は、有料版も試してみようかな」
とりあえずは、購入せずに活用方法を眺めて行く。
「……学習ソフトが、流行っているのか?」
語学勉強なんかが、いいらしい。
フリーのホームページにアクセスして試して行く。
「アイ アム ア ペン」
「ハロー! ペン ナイスト ミーチュー」
ダメだ。ジョークも通じない。
でも外国人との英会話が無人になるのであれば、人件費削減になるか。これは、数年後に期待だな。そして、語学が苦手な俺には、無理だと判断した。俺は、英語が話せません。こんな俺では、プログラムを組めない。
「今更、翻訳ソフトの新設計もないだろうしな……」
その後も、各サイトを調査して行く。
もうね、ゲシュタルト崩壊が起きて来たよ。漢字が、画像に見えて来たよ。
目が痛いよ。
「ダメだ~。アイディアが出ねぇ~」
疲れたよ、パト〇ッシュ。
在宅勤務の日だったので、そのまま眠ってしまった。
夜中に目が覚める。
「飯はいいや。ちゃんと寝よう……」
そう思った時だった。
モニターに映し出されている映像に驚いてしまった。
「げ……、作った覚えもない画面が出てる? ウィルス感染してんじゃん」
◇
最悪なことに、俺の作った"競馬予測AI"の入ったパソコンに、ウィルスが感染してしまった。
まあいい。バックアップは取ってある。
全部消そう。ストレージの全消去だな。
そう思った時だった。
画面がひとりでに動いた。
→『どんな未来を予測したいのですか?』
「それが知りたいんだけど?」
画面の文字を読んだ後に、独り言をつぶやくと、それが文字変換された?
音声入力機能までONにされているよ。
慌てて、ネットワークを切る。
それでも、"競馬予測AI"は動き続けている。
おかしい……。このAIは、ネットワークからデータを集める動きをするはずだ。ネットワークが切れた時点で、演算を止める処理が入っているはずだ。
興味深く、演算結果を待った。
→『お金儲けができる未来予測を、望まれているみたいですね。まずは、スクラッチがいいでしょう。明日、AM10時になったら、近くのスーパーに行ってください。開店と同時に一番目の客として訪れてください。店員は、箱ごと見せて来るでしょう。一等のアタリくじは、左下隅になります。また、その箱には、二等のアタリくじと三等のアタリくじも含まれています。その場所は、とても複雑なので、現状のハードでは、場所を教えられません。別な方法が知りたいですか?』
「んっ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます