第20話 鳳蝶の写真
先週
そうして
和やかな木曜日の昼が始まってすぐに
「私、昨日バイト行ったんだ。喫茶店のバイトなんだけど」
「おおー、そういや昨日の昼も今日初バイトだからって行ってたな」
「そそ」
「どうでしたの?」
俺と
「すっごい楽しかった。私バイトって注文上手く受けれるかとか、すごい不安だったけど、店長もいい人ですっごく楽しかったし!」
「良かったな」
「ほほう、喫茶店なら俺も行ってみるか」
「来てきて! お金を落としてくれるお客は歓迎だし! 学生の財布でも優しいよ! 長時間居すぎたら追い出すけどっ!」
「おいおい、少しはおまけしてくれよ」
「バイト始めたばかりでおまけなんてできるわけないっしょ!」
「そりゃそうだが、有名なチェーン店とは違うのか?」
「うーん、そうだなぁ。大人って感じだったかも?」
「なんだそりゃ。写真見せてくれよ、写真」
「おけおけ! これこれ~」
俺は苦笑いして、スマホを取り出して写真を見せる。
土曜日に撮らせてもらった写真だ。飲食店口コミサイトにも写真はあるが、親へバイトの許可を貰うためにどんな店か説明するように写真を撮らせてもらったのだ。丸宮部長から貰わなかったのは、写真が趣味の意地というものだろうか。
「こんな店だよ」
「
「インスタに上げるからちょっとキラキラ盛っただけじゃん~~~」
「この二枚を見比べて、同じ店だと言うやつ探してこい!」
「
「
「ふふ、
「
「ひさ君もひどい!?」
「え?」
「あっ」「ああ」
パクパクと口を動かすだけで言葉にならない
「喫茶店で紅茶を飲んでる
「ど、どど、どういうこと!?」
「あのあの」
「土曜日は
「そ、そそそ、そういうことってこと!?」
「土曜日に
「そ、そうですわ。私、お二人がバイトするという喫茶店が気になって、つい」
「そ、そっかー。あたし、びっくりしちゃったし」
「お友達の事が気になってしまって」
「俺としては
「わ、私ですか!? け、けれど、私、一緒に行ってくれる人が、思いつきませんの」
「あたしが一緒に行くよぉ!!」
「いえ、私、行けるとしたらお休みの日なので、
「そんなの関係ない!」
「関係ありますの……」
そのまま関係ある、関係ないの押し問答をする二人に苦笑いをして、俺は
結局昼休憩が終わる頃には、
全員が各々の席に戻り、俺の前の席に着いた
「
「もう……、でもお友達と遊びに行けるの時が楽しみですの」
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本日もう一話投稿します。次話は20時投稿です。
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