第77話 アマゾネス


 俺たちは南に飛んでいるが、大きな森に遮られてコンパスを見ながら南を目指している。

 少し開けたところに村があったのでお邪魔する事に。

「中に入っていいぞ!」

「どうも!」

 アマゾネスというんだろうか?女の武人っぽかったな。

 ギルドに行くとダンジョンの情報を教えてくれたが、村長に聞かないと言ってはいけないそうだ。

 村長の家を訪ねると、いきなり試合になった!

 俺はハンマーで軽く叩いてノックダウンさせ、冬夜も綺麗にかわして気絶させた。

「強い男がきたぞ!」

「「「うおぉぉぉおぉぉぉ!」」」

「は?」

「ここはアマゾネスの村だ。強い男から種をもらうのだ」

「そ、それは」

 村長はニヤリとして逃さないと言いそうだった。

 ダンジョンのことを聞いて、次の日には出かけた。帰ってこいと言われたがどうするか迷っている。

「いや迷うなよ!」

「いや、アマゾネスは種を残さないといけないだろうし」

「ただのすけべなだけだろ!」

「な!なんでお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ!」

「けっ!どすけべ」

「なっ!」

 なんで俺が怒られなきゃいけないんだ?

「うっせ!」

 クアには突かれるしいいことなしだぜ。


 ダンジョンでも機嫌が悪い、

「いかなければいいんだろ?いかない!」

「けっ!男はどいつもこいつも」

「ソロソロ機嫌なおさねぇと俺も怒るぞ!」

「な、なんだよ、最初に行ったのはそっちだろうが!」

「何がだよ?」

「種を残すとかなんとか」

「あぁ、そういう種族もあるってことだ、べつにやましいことは言ってない!」

「だって戻るってそういう事するんだろ?」

「べつにしなくてもいいんじゃないか?町を回ってないだろ?」

「そ、そうか!そうだよな!」

「なんだよ」

 急に機嫌が良くなった千夏はやたらと話しかけてくるが悪いがそれどころじゃない!


「冬夜!」

「はい!」

「千夏もちゃんとしろ!」

「うん!」

 なかなかに強敵なのは岩石を纏った芋虫みたいなグオンローラーという敵だ!

「すばしっこいんだよ!」

“グシャ”っと潰れると塵になり魔石とドロップ品の石のようなものを残す。


「ら今日はこの辺でいいか?」

「ですね」

「はーい!」

「了解」

 家に帰ると、久しぶりに居酒屋に行きたくなる。

「居酒屋行く人!」

「「「はい」」」

「クアー」


 四人と一匹で居酒屋に行くと、さっそくよっぱらいがからんでくる。こいつら顔がいいからなぁ。早めに一発決めてさっさと退散してもらう。

「さすがっすね」

「力加減はバッチしだぜ!」

「冷やしトマトうめぇ」

「焼き鳥最高!」

「クアー」

 3人は気づいてもいない。

 居酒屋は最高だったが、千夏がやけに絡んでくるのがウザかった。なんなんだよ!


 アマゾネスダンジョン100階層。ビックイーターだ。魔王にジョブチェンジして、即倒す!あんなのにかまってられるか!

 ドロップは星10の剣で宝箱派金貨にスキルオーブ。性豪とかなんだよこれ!

 とりあえず死蔵だな。

 千夏とエマは顔を赤くしていた。使わないよ?

 そこからもラミアやロックゴーレムなど多種多様なモンスターが出てくる。

「非常に疲れるダンジョンだな」

「そうですね?ジョブチェンジしながらじゃないと」

「もうあきらめて魔王と勇者で」

「だめですよ!せっかくジョブのレベル上げしてるんですから」

「ですよねー」

 しんどい。はっきり言ってジョブチェンジがしんどいのだ。魔王で無双させてくれないかな?無理だよねー!

「やってやるさ!」

 基本ブラックスミスで適度にジョブチェンジしながら進めていく。 

 

 300階層はフレイムラミアだった。火を纏うこいつは厄介だったのでジョブを魔王にしようとしたら千夏が弓矢で仕留めていた。

 たいしたもんだ。

ドロップは弓と宝箱は金貨とスキルオーブ、やはり性豪だった。どんだけだよ!


 400、500階層まできて最後はアマンダと言う怪物だった。さすがにきつかったので魔王で一撃でのもと倒した。ドロップは剣で星16だった。宝箱は金貨とジョブオーブの遊び人だった。これはいらないな。


 ようやくダンジョンを攻略し終えて転移陣で戻るとアマゾネスの村に帰る。大歓迎だが、こっちにその気がないと伝えると怒って追い出されてしまった。


 それもどうかと思うよ?

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