第75話 国とダンジョン
ダンジョンメイカーを国が管理するようになり、ダンジョンの数はまた減ったかのように見えたがダンジョンからとれる魔石エネルギーの為に国と民間で言い争いが絶えない。
民間は外に作って欲しがるが、どうしても運搬が危険なので中に作りたい国との言い争いの末、外の近くに出来たダンジョン。
自衛隊員は辞めるに辞めれないが毎日恐怖との戦いである。
「ってことらしいですね」
「そんな事になってるのかよ」
「俺は冒険者が外じゃなくダンジョンに潜った方が効率がいいと思うけどな」
「うん、外は探すのがタイヘン」
エマも同調してくれるがそれでもダンジョンは人気がない。魔石しかドロップがないのでうまみがないのであろう。
「ダンジョンコアを操作してみるか?」
「あ、とりあえず一個はマスターですもんね」
「今から行ってみよう」
俺たちは春の日差しの中ダンジョンへと向かう。
「結構人入ってますね」
「最初のダンジョンのままだからここは魔石以外もドロップするんだよな」
「とりあえず30階層まで行ってダンジョンを少し改良しよう」
俺たちは列に並んで中に入ると、冒険者が挨拶してくれる。
「あ、勇者さん頑張ってくださいね」
「CMみてます!」
顔を真っ赤にして手を振っている冬夜がとても面白かった。
30階層、ダンジョンコアに触り設定をする。とりあえずは弱いモンスターにしてドロップはそのままで30階層のドロップを高価にしてみる。
「よし、これで人気は出るだろう」
「あまり人気すぎると逆に他のダンジョンに入らなくなるんじゃないですか?」
「これをモチーフにして国がダンジョンを調整してくれればいいんだがな」
「あぁ、そうですね、なにも僕らがやる事じゃないですもんね」
「そうそう!これだけやってやればいいだろ!」
千夏はウンウンと頷いている。
それからまた異世界に飛ぶと待ってましたかのように買い食いをする千夏は少し買うのを控えてくれたみたいだ。
「しかし、うまいな!」
「そうだね、これは中華っぽいし」
「アジア圏なんだろうな?」
「国や場所で世界が繋がってるからだろうね」
国で違うのかと思ってたら場所だったのかもしれないな。
寒い冬が終わって暖かい日差しがふりそそぐ、クアも寝ぼけてずり落ちてくるので抱っこしている。
俺たちは武器防具屋に立ち寄ったが、ほんと『FO』と『転神』の武器が多いな。冬夜はガンナーの武器を買っていたが使えるのか?
夕暮れ時まで探索をしていると孤児が目立つな。
全員はすくえないので無視するしかないのだがつらいな。
宿に戻り家に帰るとクアはまだ俺の膝の上で寝ているので千夏が羨ましがっている。
「なんでクアは私のところに来ないんだ?」
「ただ居心地がいいだけだろ?」
「くっ!クアの馬鹿野郎!」
「クアー」
トコトコと千夏に寄りかかって眠る。
「うそだ、やっぱり大好きだー!」
「うぜえよ!つかいつになったらフェニックスになるんだ?」
「いや、クアはこのままでいいと思うぞ?」
「そりゃいつかは大人になるだろ?」
「いやだぁー!このモフモフがたまらないのに!」
言いたい放題だな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます