第69話 ギャラクシー
「このくそ鳥がぁ!焼き鳥にして食っちまうぞ!」
「クアの愛情表現なんじゃないですか?」
「この頭を見てそれが言えるか?
「そ、それは」
「こいつは俺のことを舐めてんだよ!一回ハンマーで叩き潰してやらなきゃな」
「やめろ!クアは私の鳥だ!」
「ならちゃんとしつけをしろ!」
「悪かった」
これだけ言えば、デブ鳥も。
「やっぱり乗るんかい!」
もういい、しょうがないと諦めよう。
水の都の道具屋で、万能薬を買い足して置く。あとは武器屋を見るとやはりここら辺ではギャラクシーのアイテムをよく見かけるな。
人は見ていないがな。
名残惜しいが、水の都とおさらばだ。
ワイバーンに乗って次の街へと飛んでいる時に爆発が起きた!
「なんだ!」
「悪い人が乗ってるとは思わなかったんだ!」
チャラそうな男が空を飛んでいる。ギャラクシーのアプリか。
「そっちのお嬢さん達に怪我がなくて良かったよ」
カチンとくるやつだな!
「マイキー何やってるの!」
「いや、ワイバーンがいたから捕まえようとしたら人が乗っていたんだよ」
「もう!ごめんなさい!」
「大した攻撃じゃなかったみたいだしいいですよ」
「あ?」
「なんだよ?」
「ちょっと!」
「喧嘩しないでよ」
「あ?こいつが喧嘩売ってきて」
「先に仕掛けたのはあなたよマイキー?」
「そ、それは申し訳なかったと思って」
「街の近くですので降りますよ」
ワイバーンから降りると、睨み合う俺とマイキー!
「やんのかおっさん!」
「誰がおっさんだハナタレ小僧」
「やめなさいっていってるのよ!」
千夏が止める。
「ごめんなさいね、わたしはシンディー、ギャラクシーアプリを使ってるわ」
「彼は秋、こっちが冬夜で、私が千夏、そしてエマにこの鳥がクア」
「よろしくな!おっさん!」
「いやこちらこそ、ハナタレ小僧!」
握手にも力が籠る。クアもマイキーの頭を突いている。
「だからやめなさいって!」
「こらクア!秋も子供見たいだぞ」
「あ?悪かったけどそっちからしてきたんだからな!」
「それは悪かったが口が悪いのはお互いさまだ!」
「んだと、この野郎!」
「やんのかこいつ」
“ゴンゴン”
「「いっつ!」」
「やめろっていった」
「分かったよ」
「俺も分かった」
次の街まで行くことになった俺たちは歩いてる。
ギャラクシーなんかどうってことないな。
ワイバーンを倒すならもう少し力を出さなきゃ倒れないのにこいつの一撃は弱かったからな。
「なんでワイバーンを狙ったの?」
「最近飛龍がこの街を襲うのよ」
「それでワイバーンをな」
「あんな攻撃じゃ倒せねえだろ!」
「武器が弱えんだよ!しょうがねえだろ?」
「なんだこんどは武器のせいか?」
「男ってのは!」
「本当にもう、強くしてあげればいいじゃない」
「は?やだね!こんなやつのなんて」
「は?こいつにそんな芸当ができるわけないだろ?」
「ブラックスミスだから出来るわよ!」
「なっ!」
「ふん!」
街に着くとギルドに登録して、飛龍の情報を得る。
「レッドドラゴンかそこらじゃねえか?」
「そうね。私の武器では埒が空かないかも」
「なら貸せよレベルは?」
「56よ」
「んじゃ、星6で良いな!」
“カンカンカン”
「ほれ、星6装備だ」
「あ、ありがとう!」
「おっさん!俺は89だ!」
「だからなんだ?やらねぇぞ!」
「なんだよ!やれよこのやろう!」
「うるせえ!人を選ぶんだよ!」
「きゃー!」
「飛龍が、きたぞ!」
外に出てみると火龍だった。
「しゃーねぇな、『魔光撃』」
“ズガン”
火龍は脳天を撃ちぬかれて倒れてしまった。
「凄い!」
「な、何だよあれ」
俺の攻撃でマイキーも口を開けてぽかんとしている。
「おっさん強えな!」
「誰がおっさんだよ!」
火龍は買取に出され金をもらう。
「なぁ。おっさん、悪かったから俺の武器も強くしてくれよ」
「おっさんじゃない!秋だ!」
「秋!お願いだ」
「しゃーねえな」
強化してやったから機嫌が良くなった。
「秋!飲みに行こうぜ!」
「おう!」
「はぁ。やっとなかよくなったか」
「お互い疲れるわね」
千夏とシンディーはお互いに苦労すると言っているが、うちは千夏が一番の問題児だと思うぞ?
「秋はすげえな!」
「あれは魔王の力だ!」
「魔王!?敵じゃないのか?」
「ジョブにあるんだよ」
「へぇ、すげえゲームだな」
「ギャラクシーはどんなジョブがあるんだ?」
「ファイター、メカニック、ソルジャーだな。俺はソルジャーでシンディーはファイターだ」
へぇ、そんなジョブもあるんだな。
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