第68話 クアー


 ダンジョンでの戦いも慣れたもので聖女になった千夏はほんとに聖女のような服に着替えている。エマは賢者を極めるために頑張っているし、冬夜はレベル上げ途中の奴をカンストするまでジョブチェンジして行くらしい。

 俺は魔王とブラックスミスを使い分けている

 今の魔王だと星26までは装備できるからそこまでは作りたいなぁとブラックスミスも使っているのだ。

 山間にあるダンジョンなのでゴーレム系が多い、しばらくブラックスミスでいいかと、ジョブを固定して進んでいく。

 100階層を、超えて進んでいくと突然宝箱が目の前にあった。

 流石にミミックだろうと近づくが本物の宝箱のようだ。

 宝箱を開けると卵が入っていた。

 何が生まれるかわからないし、このまま置いていこうと思ったが、

「私が育てる」

 と千夏がどうしても譲らないので千夏に任せることにした。

 小さな卵で鶏卵くらいの大きさだ。


 200階層に挑む。相手はロックゴーレムだ。ハンマーで楽々クリアーして家に帰ると

、千夏はずっと卵を持ったまま生活している、聖女が作用してるのか?


 ついに生まれる時が来たのかパリパリと割れている。鳥のようなワイバーンのような目がギョロっとして目つきが悪い、そして千夏達には懐くが俺は軽く噛まれた!歯がないので痛くはないが、もしかして卵の中で聞いてたか?


 クアと名付けたそいつを胸ポケットに入れて聖女は動く、バリバリ動く!大丈夫なのかと思って見てたら大丈夫そうだ。

「クアー!」

「カプ」

「違う噛むなよこのやろう!」

「やめなさい!クアは私の子なんだから!」

「はいはいやめますよーだ」

「ねークア」

「クアー」

  クアは何でも食べる雑食だ。だから人のものまで食べやがる。

「おい俺のまで食うなよ」

「大人気ない!」

「けっ!そっちがその気なら食っちまうぞ」

「おー、可哀想に」

「クアー」

 羽が生えてまふまふになってきている。

 生まれた時は鶏皮みたいだったのがたった一週間でデブ鳥になってしまった。

 たまに俺の頭の上に乗ってくるが重いのですぐどかす!

「クアー」

「やめないか!クアがとまりたがっているのに」

「うっせ!食わせすぎて重いんじゃ!」

 俺たちは400階層へと入って戦っているとクアが炎を吐いてくる!俺に!

 避けるとチッと舌打ちしやがる。どこが可愛いのかわからん。

 鑑定をした結果フェニックスだと分かったが、どう見てもデブ鳥だ。真っ白だしな。


 500階層では俺のハンマーが火を吹くとデブ鳥もちょっとはビビったみたいだった。

 ざまぁ。

 なぜかドロップは腕輪で、力の腕輪だった。なぜかデブ鳥の足にピッタリサイズだった。宝箱には金貨とジョブオーブのテイマーがはいっていた。

 今更テイマーはいらないだろうと言ったが千夏がどうしても欲しいと言うのであげる。


 そう言えば俺たちもテイマー系は持っていないが、いらないな。


 ダンジョンを出るとワイバーンを呼んで次の街にいく。こんどは水の都のような風景の街並みだ。

 ワイバーンを途中まででおろしてもらい、水の都に入って行く。

 おおっ!これは綺麗な街並みだ。

 冬は氷の都になるらしい。

 ギルドに登録してから、デブ鳥もテイマー登録をする。

 噴水が綺麗でココロが癒されるが頭に乗ったデブ鳥が重い。

 

 焼き鳥を買い食いしながら散策してみるが、デブ鳥も食べている。共食いじゃねえか。

 スキル屋によるとジョブスキルにテイマーがあったが、いらね!

スキルオーブに突くがあったので欲しいそうだから買ったとクアに覚えさせていたが、俺で試すのはやめろ!!

「このデブ鳥食っちまうぞ!」

「やめろ!可愛いだろ!」

「この頭を見ろ!」

 デブ鳥が突くから血だらけだ。

 無言でポーションをかけられた。

「くそっ!俺の頭に乗るなよ!」

 と言っているのに乗ってくる。

 千夏は嬉しそうだが重いんだけどな!

 

 装備なんかも見て宿屋に行き一泊する。

 そして家に帰る。

 千夏がいると千夏に甘えているが、千夏が風呂に入ったりしている時は俺の頭の上に登りたがる。

「やめろこのブタ鳥が!」

「クアー」「突くな」

「クアー」「分かったよ」

 結局は俺の頭の上に乗る。


 こいつは何なんだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る