第65話 病気


 あれから見なくなったグッドマフィアをしている奴。

 まぁ迷惑をかけてなければ良いんだが。

 ギルドでダンジョンの話を聞くと次の街に行かないとないそうだ。

「召喚よろしく!」

「はーい!」

 またワイバーンを召喚して四人で乗り込むと、空高く飛ぶ。

 次の街はあんな遠くにあったのか。

 近くに降り立ってワイバーンを戻す。

 あとは歩いて街に入ってみるが何の変哲もない普通の街だった。

「まぁ、これが普通だよな」

「うん。そうだ」

「僕たちが大変な街に居ただけですよ」

「同感」

 ギルドで登録して街ブラをする。

 武器防具を見てみると近未来的な武器や防具が揃っている。

「あ。これギャラクシーのアプリですね」

「へぇ、こんなので戦うんだ?」

 ちょっと楽しそうだな。

「空中戦とか楽しいぞ?」

「やってたのか?」

「うん、出始めにやってたけどPVPだからつまんなくなってやめた」


 PVPはちょっとな。

 スキル屋にやってみると凄い品揃えだ。

「品揃えがいいね」

「冒険者が取ってくるんですよ」

「あぁ、ちゃんとしてるんだな」

 スキルオーブを何個か買い宿屋に部屋を借りると、家に帰る。

 ギャラクシーでもちゃんと冒険者してるんだな!

「スキルオーブ使ってみた」

 エマが欲しがったクノイチの隠密やくない投げのスキルオーブを使ってみたらしい!

「良かったじゃないか!」

「うんありがとう」

「ジョブオーブにギャラクシーのはなかったですね」

「そうだな」

「特殊職業になるんでしょうね」

「あぁ、アプリ特有の職業ってことか」

「でも僕はこっちの方があってますね」

「俺もだよ」

 ジョブチェンジシステムが便利すぎるからな。


 おらは錬金術師になってこの前お婆さんにもらった世界樹の枝で、エリクサーを作り出す。これで二本目だ。


 あとはブラックスミスで星20に挑戦してみたが難しい!タイミングが合えば合成成功なんだが、あぁ、失敗だ。星19が18になってしまった。また素材集めをしないといけないな。

 こたつは片付けてあるのでソファーに座ってゲームをやっている。

 エマと冬夜もゲームをしている。

 千夏は実家に顔出しに行っているみたいだ。

 

 久しぶりに復刻イベントでまた時戻しの砂が出ているが、これ以上若返ったら十代になっちまうよ。でも念の為取っておこうかな。


「エマ!万能薬を譲ってくれないか!」

「どうしたの?いいけど」

「親父が癌でもう長くないって!」

「はい、万能薬!」

「ありがとう!」

 千夏はすぐに走っていってしまった。


「大丈夫かな?」

「大丈夫だよ。きっとね」

 千夏が帰ってきたのは次の日だった。

「ありがとう!親父が回復したよ!」

「よかったよ」

「万能薬がもっと出回ればいいのにね」

「けっこう取るの大変」

「だよねー」


 でもゲームを頑張れば手に入るんだからがんばってみるか!エリクサーじゃなくても上級ポーションとかで治る病気もあるだろうし。

 その日は一日中ゲームをしていた。

「何をやってるの?」

「上級ポーションをとってるんだよ。錬金でも作れるけど素材集めが大変だからね」

「ふーん、転神はそう言うのぜんぶポーションだからねー」

「そう言うゲームもあるさ」


 エマも万能薬を集めているみたいだ。冬夜も一緒だな。

 やっぱり回復できるアイテムがあるなら病気の人にあげたいしな。


 千夏に知らない番号から電話がかかってきて何か揉めているようだ。

「ほんとに!なんか万能薬の話が広がってるみたいで、万能薬はもうないのか?って電話だった」

「何でそんなに怒ってるんだ?」

「金なら払うからさっさと持ってこいって上から目線で言ってきたからもう無いって断った」

「あぁ、金持ちのいいそうなことだね」


 オフオクにあげたらすげぇ高くなりそうだな。

 でも小さい子とかを助けてあげたいのは偽善だからだろう。

 縁があれば助ける方向で行こう。

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