第57話 万能薬2


  俺達は一週間かけてようやく500階層まできた。

「長かった」

「だな。ようやく終わるな」

 扉を開けるとアダマンタイトゴーレムだった。

 いまはもう処刑人のレベル上げは終わり、ブラックスミスでガンガン敵を倒している。

「どっせい!」

 アダマンタイトゴーレムが崩れるとコアになる部分を探して壊す。すると塵になって消えていく。ドロップはアダマンタイトのインゴットだった。これは嬉しい。

 宝箱はいつもの金貨にジョブオーブでナイトだった。これは保管だな。


 金貨はインベントリに入れて行く。千夏もエマもマジックバックに入らないそうだ。


「あー、インベントリが欲しい」

「しょうがないだろ?探して入るんだし」

「二人だけずるい」

「僕達は使えるジョブがあったからね」

 二人が欲しがるのも無理はないか。

 でもスキルオーブにあっても良さそうなのにな。


 ダンジョンコアに触りマスター登録したらそのままの状態で転移陣で外に出る。

「さっぶ!」

「凍えてしまう」

「そうか?まぁ、宿屋までの辛抱だ」

 宿屋に入り部屋を取るとすぐに家に帰る。


「あー、あったかーい!」

「気持ちいいですね」

「まぁ、分からんでもないが」

 コタツムリ二匹は出てこないでスマホを手に持ってガチャを引いている。

 俺達もガチャを引く、そろそろ馬場さんと万場さんに持っていかなくてはいけないからな。


 でもこう言う時に限って星10がでてくるのはやっぱり物欲センサーのおかげなのか?



 馬場さんからスマホに着信があった。


「どうしました?」

「おお、秋くん!万能薬の効果だけど病が治ることがわかったよ」

「本当ですか!良かったです!」

「知り合いにステージ4の癌患者がいてね、ダメ元で使ってみてくれと頼まれたから使ったら回復したよ!」

「すごいですね!これで死ぬ人も助かりますね!」

「あぁ、でも数に上限があるんだろ?」

「エマが持っているのは50くらいしかありませんからね」

「じゃあ、宣伝すべきではないな」

「そうなりますね」

「でも大発見だからな!俺の友達が助かったんだ!ありがとう!」

「はい!俺も嬉しいです」


 良かったけど公表できないのはつらいとこだな。万能薬はあくまでもエマしか持ってないからな。


 

  ♦︎



 私は病院のベッドでいつも寝ている。

 退屈なのでアプリを入れたら異世界に行くことができるようになったが、この身体話じゃ動けない。


 せめて病気が治ればわたしだって外で遊びたいのに。

 自分のアプリで同期したのは間違いじゃなかった。

 こんな私でも人の役に立てるからただ。

 いままで憂鬱だったあの頃より色んなことが頭の中で芽生えて消える。アプリ同士の干渉ができないからだ。

 だからわたしはわたしでできることをしていく。

 でも最近では全然動かなくなってきた身体を必死に動かそうと努力するが、全く動かない。

 このアプリが次の人に使える様になって欲しいんだが、うまくいかない。

 誰か助けて、と呼ぶが暗闇に消えていく。


 そんな時にワタシに話しかけてくれたおじさんがいた。


「君はまだ若いんだからこれを飲むといい」


 私は半信半疑で飲むことにした。体がうまく動かないから手伝ってもらいながら。


 体から光が溢れ、痛みが引いていく。


「あれ…わたし」

「多分治ってきたんじゃないかな?」


 痛かった体の痛みが消えている。



「おじさん、何を飲ませたの?」

「万能薬と言う友達からもらったものだよ。効いてよかったよ」

「おじさん、あ、ありがと………」

「良かった良かった」


「これからも『カキヨム』で人の為になることを書いていこう。

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