第50話 来日


「エマー!」

「oh、チナツはやっぱりカワイイです」

 今日はエマが来る日なので空港までレンタカーで迎えにきた。

「アキ、トウヤふたりともナイスガイですね!」

「ハハっ、エマも可愛いよ」

「イヤンです」

「お婆さんのとこはいいのか?」

「ちゃんとレンラクはしましたからダイジョウブです」

「そっか、なら行こうか!」

「レッツゴー!」

 レンタカーに乗り込んでわちゃわちゃと話しながら家に向かう。

「あ、エマのゲームってガチャがある」

「はい、ジョブごとによっつありますね」

「それは良かった!俺たちだけじゃ辛かったからな」

「え?」

「まぁ、あとでわかるよ」

 地獄のガチャがどれだけしんどいかわかってもらうぜ!


 よし、ここが我が家だ。

 駐車場に車を停め、エレベーターで上がって行く。

「ウェルカム、エマ!」

「わぉ!ありがとうございます」

「ここがエマの部屋ね!」

「おぉー、ヒロイですねー」

「これで埋まったな」

「そうですね」

 エマは大学を三年半で卒業している22歳。

 本当は日本で就職するつもりだったが冒険者としての道を選んだ。レンタカーを返しに行って帰ってくると。


「「「「カンパーイ」」」」

「さぁ食べて食べて!」

「いただきます!」

「うー。おいしいです」

「んー、やっぱりこうじゃなきゃな!」

 なぜか、歓迎する時はウーバーで中華になってしまう。

「いいですねー!シェアハウス!」

「ここはパーティーハウスだよ」

「パーティーハウス!いいね!」

「パーティー名決めようよ!」

「春夏秋冬でいいんじゃね?」

 秋、冬夜、千夏、春日で春夏秋冬。

「あわわ、決まっちゃった」

「みんな名前に季節入ってますからね」


「んじゃ!春夏秋冬に!カンパーイ」

「「「カンパーイ」」」

 

 だいぶ酔ってきてお開きの時間だ。

「おーい、みんな部屋に戻るぞー」

「「「ふぁーい」」」

 それぞれが部屋に戻って寝る。

 エマの部屋には布団だけは置いといたから大丈夫だろ。


 次の日はみんなでソファーの上でウダウダしていた。

 

 エマの買い物にも行かないとな。

「エマ。ガチャ引いておけよ?」

「はい、なんでです?」

「後でわかるから、いまみんなガチャ引いてるからな」

 ボケーとしながら手は動いている。


 昼すぎて酒も抜けたところでエマも連れて馬場さんのところへ。

「あ、また、美人さんが増えてる?」

「エマって言います」

「今後この四人でパーティー組むんでよろしくです」

「おぉ、パーティー名は?」

「春夏秋冬です。みんな季節が名前に入ってるんで」

「おぉ!じゃあこれからもよろしく」

「はいよろしくお願いします」


 別室にて、

「エマ、要らない装備をここに出して」

「え、いらないのですか?はい」

「おおっ!魔法使いの服ですか!しかも女物!人気がありますよ!」

「あとはナイト、シーフ、ハンター、のガチャもあるんだよな?」

「はいあります」

「今後ともよろしくお願いします!」

「んじゃ俺らのも」



「すごいですね!あんなにお金になるなんて」

「錬金術だよな?等価交換じゃないけどな」

「すごいすごい!」

「これで買い物まできるだろ?荷物持ちは俺らがやるからさ」

「ありがとうございます」


 それからベットやテーブルなんかを買いに行き、ついでに服もということでまた待たされている。

「やっぱ、買い物は女同士で言ってもらったほうがいいな」

「そうですね」


 どっさり買ってきた服をインベントリにいれて、今日の活動は終わりだ。


 疲れた。

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