第44話 お休み


「500階層完了!」

「やったな!」

「長かった」

「まだまだですよ?僕のジョブはあるんですから」

「えー!」

「まぁ、休みもとってなかったしそろそろ休みにするか」

「やったぁあ」

 俺達は500階を突破してダンジョン攻略を無事に終えた。

 次の日を休みにすると千夏は喜んだが俺たちは何しようと悩んでいる。


「結局朝から起きてるんだな」

「まぁ習慣ですかね?」

「千夏は?」

「実家に帰って友達と遊ぶそうですよ」

「そっか」

 俺達はソファーでだらけていると、

「遅刻遅刻!」

「気をつけていけよー」

「はーい!行ってきます」

「「いってらっしゃい」」


「俺らもどっか行くか」

「ですね」

 のそのそと着替え出すと外に出る。

 秋もピークを迎え服も買わなきゃならんな。

 途中たい焼きを食べながら服屋を探す。ブラブラと二人で散歩だ。

「あっ、僕服みたいです!」

「俺も冬服買わないとなぁ」

 男二人で動くとこんなもんだな。


「アイテムボックス楽でいいっすね」

「あぁ。千夏にもとらせてやりたいがな」

「どっかに売ってればいいんですけどね」

「王都にスキル屋はあったぞ、そんなに種類はなかったけど」

「へぇ、異世界も街ブラするもんですね」

「今度は王国から出てみようか?」

「あ、それ僕も思ってました!外人さんみないんですよね」

「違う国か、あるいは違う異世界に行ってるんだろうな」

 スキルオーブも溜まってきたしまたオフオクにでも出すか?


「最近はアプリ鳴らないですね」

「鳴らないほうがいいよ」

「ですね、見るの怖いですもん」

「カキヨムならまだいいけどな」

「ですね、アプリに干渉しないですもんね」

 アプリに干渉できたらそらはそれで怖いけどな。


「家に帰ったらいってみるか?」

「そうですね、その前に買い溜めしていいですか?」

「あ、俺も少なくなってきてたんだ」

「あっちの人にもなにか買って行きましょう」

「だな」

 俺たちはスーパーなどをハシゴしながら買い溜めしていく。


「んじゃ行くか」

「はい、行きましょう」

 転移した場所は500階層だったので転移陣で外に出る。

 王都に行く前に南の街に寄ってみるとだいぶ復興していた。

「おーいニーナさん」

「あ、アキさんにトウヤさん」

「どうですかこっちは?」

「だいぶ前に戻ってきましたよ」

「そうですか、良かったです」

「王都はまだかかりそうですね」

 ニーナさんは苦笑いだ。

「そうですよね」

 俺も苦笑いになってしまう。

「あ、甘いもの好きですか?」

 冬夜が出したのはどら焼きだった。

「はい、でもこれはなんですか?」

「食べてみればわかりますよ」

 袋から出して匂いを嗅いでいる。

「甘い匂い…あ、美味しいです!」

 気に入ったみたいだな。


 どら焼きのセットを渡して俺たちは王都に走って行く。


 王都にはそれなりにかかるが、ダッシュすればだいぶ違う。

“カンカンカンカン”

 と音が聞こえる。

 建物を直しているようだ。

「はぁはぁはぁ」

「けっこう、はぁ、しんどいな」

「ですね」

 息を整えて王都に入ろうとすると、門兵に止められる。

 通行証という名の冒険者証をみせて中に入っていく。

 やはりひどい有様で中々の壊れ具合だ。

「スキル屋はどっちですか?」

「こっちの路地にあったと思うが」

 うろ覚えだが合っていたようだ。

 中に入ると、

「こんな時に客かい」

「そうだよ、こんな時だからこそ金使わないとな」

「まぁ、見ていきな」

 婆さんのいうとおり見ていくとやはりないな。

「なぁ、アイテムボックスかインベントリみたいなスキルオーブはないのか?」

「さぁ、ここんとこはとんと見てないねぇ」

「そうか、じゃあ、これもらうよ」

 治癒魔法のオーブを買う。

「ありがとうね」

「んじゃ、これでも食って元気出してな!」

 と、和菓子の詰め合わせを渡す。

「おぉ、ありがとうね」

「んじゃ」


「やっぱりなかったですね」

「だな、やっぱりダンジョンで探すしかないみたいだな」

 ギルドに行くとバタバタしている。

「なんかあったのか?」

「あんたら冒険者か!グリーンドラゴンがでたんだよ!西門からでて戦ってくれ」

「了解」

 西門に急ぐとでっかい地龍がこっちに向かってるのを止めている冒険者が数名いた。

『魔光撃』

“ズズンッ”

 と倒れるグリーンドラゴン。

「流石魔王ですね」

「お前ら凄いな!良かったよ!」

「それより怪我人にこれ飲ませてくれ」

 ポーションを渡して怪我人に飲ませていく。

「こんだけ立派なドラゴンだから金になるぞ!」

「あはは、俺らはいいからみんなで分けてくれよ」

「いいのか?大金だぞ!」

「あぁ、みんなで倒したのも同じだからな」

「ありがてぇ、けどそれならみんなで分けようや」

「そうだな」

 

 グリーンドラゴンは綺麗に解体されて街のみんなの胃袋に収まった。

「うめぇなドラゴン」

「あはは、ドラゴン食べるなんて夢見たいですよ」

「千夏は悔しがるだろうな」

「たしかに!」

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