第43話 平和


 ダンジョン200階層、

「うー。怖いよ」

「大丈夫だよ。すぐ終わるから」

「開けるぞー」

 扉を開くとヒュドラだ。もう何回と倒している。

「ディストラクション」

 中から破裂して塵になって消えると長剣がドロップした。星11だ。そして宝箱は千夏に開けさせると、

「ぬおオォォォォォ!」

「「あははは」」

「すげー金貨!」

「だろ?だからいっただろ?」

 その中にスキルオーブがあったが、治癒魔法だった。やはりインベントリは滅多に出ないらしい。

 宝箱ごとインベントリに入れる。

「そりゃ金持ちになるわ」

「だろ?」

「サッサと次行きますよ」

 冬夜は早く侍をレベル上げしたいみたいだ。

 250階層までで今日は終わり。

 冬夜も侍が150になりついでにすっぴんをレベリングして67まであげた。


「ウケる!あははは」

 テレビを見ながら笑っている千夏。

 画面には女装備のおっさんが必死に画面に映っている。

「うわっ、ひどいなこれは」

「あはは、さすがに」

「あははは!ヒィーヒィー」

 転神装備を頑張って買ったんだな。てか、よく売ったな。

 まぁ、客だししょうがないのかな。


 次の日は250階層から、300階はリヴァイアサン。水龍だ。

 『ディストラクション』で一撃だがな。

「ここまで強いとひくよ」

「魔王だからな」

「おっ、双剣だね」

 でも星12だからまだ装備出来ないのでインベントリに入れておく。宝箱は千夏が開ける。

「やっぱすげぇよな!」

「まぁね、どれスキルオーブは?」

 スキルオーブは抜刀一閃だった。

 刀の使えない千夏はがっかりしている。

 気を取り直して340階層まできた。

 すでにすっぴんをレベル150にした冬夜は 赤魔道士に切り替えている。千夏は80までレベルを上げているのでもう少しで星10装備に手が届く。


 ソファーに座りながら焼き芋片手にビールを飲む。二人ともソファーでくつろぎながらゲームをやっている。


 次の日も340階層から400階層まで一気に行く。扉を開けるとキングレックスがいる。

「行くぞ」

『ディストラクション』

一発で仕留めると塵になったドロップを落とす。二つの短剣が落ちていた。星12だ。

 宝箱には金貨とジョブスキル竜騎士だったので俺が使った。

 

 赤魔道士から白魔道士にジョブチェンジした冬夜、俺も変えようと思ったがそれだと無双できないので魔王のままだ。420階層までで、今日は終わった。

「二人とも強いな」

「そりゃ、こんなことしてりゃつよくなるだろ」

「僕はまだまだジョブがあるので頑張りますよ!」

「二人は凄いな!私も頑張るぞ」

「ジョブ関係ないからいいよな」

「そんなことないぞ?私はやはり弓がいいな」

「らそうなんだ」

「職業も狩人だからな!」

「そりゃ。弓を伸ばした方がいいな」


 第二職業との兼ね合いもあるのか。

 まあ、レベルが90はいってるからスキルは取れただろう。


「それよりさ!今日は何食べる?」

「食いもんの話かよ」

「あはは、千夏はそればっかりだな」

「だって美味いもの食べたいだろ?」

「んー、たまには居酒屋とかもいいんじゃないか?」

「いいね!居酒屋」

「あー、たまにはいいですね」

「んじゃ決まり!着替えてくる」

 ダッシュで自分の部屋に入る千夏。

 まぁ元気なのはいいことだな。


「らっしゃーい!」

「ご新規三名様です」


 ここは昔よくきてた居酒屋だ。

「雰囲気いいねぇ!何食べようかなぁー!」

「とりあえず生三つで」

 居酒屋の雰囲気が好きなんだよなぁ。

「へい、とりあえず生三つです!」

「えーと、串の盛り合わせと………」

 止まることのない千夏に、

「おいおい頼みすぎだろ」

「んじゃこれで」

 

「「「カンパーイ」」」

「「「クハァーッ!」」」


 やっぱり居酒屋は正解だな!

「千夏は頼みすぎだろ?」

「だって食べたいのがいっぱいあるんだ」

「しょうがないですよ」

 冬夜が笑っている。

「これからどうするの?」

「なにが?」

「いや目的とか」

「まずは王都の復興だろうな」

「うっ!」

「なかなか進まないですもんね」

「うっ!」

「王様がまだ子供だし宰相とかがどうにか立て直すだろ?」

「うー、いじめすぎだ!」

「「あははは」」

「お前は悪くないんだから気にするなよ」

「でも」

「そうですよ、これはあのウォーゲームが主犯ですからね」

 そうだな。まだ知らないゲームと同期してる奴がいるんだもんな。

 PVPも少なくなってきたみたいだしな。

 俺達みたいにパーティー組んでるのも多くなってきた。


「ま、平和が一番ってことか」

「ですね」

「生おかわりー!」

「………俺も」

「僕も!」

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