ウォーゲーム
第39話 異世界人
後日、薫君は刑務所に入れられた。
間接的にだが人を殺しているので当たり前だ。母親は精神疾患で病院に入院しているそうだ。
ダンジョンメイカーは国が管理することになり、ダンジョンは決められたところに配置された。
「はぁ、よかったよかった」
「ですね、これでようやく安心して暮らせますよ」
「だな」
ビールを飲みながらだべっている。
「薫ちゃんのお母さんには悪いことしたな」
「しょうがないですよ」
「まぁ、しょうがないんだけどな」
ダンジョンメイカーも使い道を間違わなければ資源の塊なのにな。まだ未知のアプリがあるかもしれないし、これからどうなっていくのだろう?
「明日からどうします?」
「他の街にでも行ってみるか?それともすこしやすんで羽を休めるか」
「んー、少し休みましょうか?」
「だな。たまにはのんびり過ごすのも悪くないよな」
実家にでも帰るかな?
結局やることがないので実家に帰ることにした。
「なんばしよっとね?」
「ただいま!」
「だからかえってかるときには連絡ばよこさんね!」
お袋は元気そうだ。
「なーにー?魔王が帰ってきたとね?」
「そうなのよ、それも急に」
「また寿司ば買ってきたけんがよかろ?」
「それならよかよ」
現金だな。
熊本もいいけど、長くいるのはなんだから、二泊三日で帰ってきた。
「あ、お帰りなさい!」
「これ土産ね」
「あざーっす!」
「変わりはない?」
「ないですよ、平和なもんですね」
「そっか、ならたまには異世界にでもいこうか?」
「ですねー、ダンジョン以外で街ブラしましょうか」
転移すると街は荒れていた。
「あ、おいニーナさん!」
「あ、秋さん早く逃げてください」
「どうしたんですか?」
「異世界人と王国が戦争を起こしてしまったみたいで!」
「「ええー!」」
「オラオラ!さっさとあるけグエっ!」
「なにしてんだ?」
俺はFOと思われるやつを殴り飛ばす。
「お前も地球人だから仲間だろ?」
「こんなことする奴の仲間になんてなるかよ!」
「おい、こいつら魔王と勇者だぞ!」
タジタジの男たちが言い訳を並べる。
「いや、俺らもべつにしたくてしてるわけじゃなくて」
「じゃあなんのためだよ?」
「あーもうまどろっこしいね!あんたらもなんなのさ!」
女が出てきて男を張り倒す。
「こんなことやめて普通にしろってことだな」
「こんなことって、この異世界人達のことかい?」
「そうだ」
「良いじゃないか?どーせ
「違うに決まってるだろ?」
「は?」
「この人達はちゃんとジョブももってるしすきるもある普通の人間だぞ?」
「は?だって、あいつが!」
「言われたまんまに信じてんのかよ?信じられないな」
女は明らかに動揺してる。
「だってこいつら同じことしか言わないじゃないか?」
「んなわけあるか!お前名前は?」
繋がれたおっさんに声をかける。
「ダルカ」
「年齢は」
「32だ」
「ほら、普通に受け答えできるだろ?」
「あ、アイツら許せねぇ!」
額に血管を浮き上がらせて激昂している。
「だれか首謀者がいるのか?」
「あぁ、それより縄を解きな!」
「はい!」
「私は千夏だ」
「俺は秋でこっちが冬夜だ」
ようやく街は解放された。
「本当にすまなかった」
「許されることではないな!」
街の長はおこっているが、
「あぁ。本当に」
「まぁ、秋さんと冬夜さんのおかげで助かったからまだよかったけど」
「まぁ、これで街を直してくれよ」
金貨の入った宝箱を渡す。
「おぉ。これで街を直して良いのか?」
「あぁ。あまったらなんか街に必要なものでも作れば良いじゃないか」
「おお。ありがたい!じゃがゆるさんからな!」
まぁ、街の長は機嫌が少しは治ったらしい。
「で千夏はどこに行くんだ?」
「王都で暴れてる奴らをぶん殴る」
「それは俺らもいくぞ」
「ここにいる奴らはどうする?」
「お前達もくるか?」
「お、俺たちは日本に帰るよ」
「悪さしたら懲らしめに行くからね!」
「わかってるよ」
千夏は知り合いのようだ。
「んじゃいくかね」
「走って行くぞ」
「おう」
「千夏は飛べるんだろ?飛んでいけよ」
「あ、ああ」
結局は俺らが先についたようだが、酷い有様だった。
「あんたら早すぎるだろ!」
「それよりこれはなんだよ!」
「うわっ!早く行くよ」
千夏について行くと殺された人がそこかしこにいる。
「僕はこの街で動いてる人を助けてきます」
「ポーションはあるか?」
「あります!」
「じゃあよろしくな!」
冬夜と別れて千夏を追いかける
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