第36話 城壁の外側
今日は結界の外に出てみる。
「大丈夫だと思いますがお気をつけて」
「ありがとうございます」
門を守っている自衛隊のひとにお礼を言って外に出ると瓦礫とかした街がそこにはあった。
「うわぁ。酷いですね」
「だな。巻き込まれた人もたくさんいただろう」
俺たちは走ってきたモンスターを斬ってインベントリに入れる。
こんだけ街が破壊されてるんだからそれなりのモンスターがいるのだろう。
街の中心部に差し掛かると上に迫り上がっているので登ってみるとレッドドラゴンの巣になっていた。
『魔光撃』
眉間を狙って撃ったので即死だろう。インベントリにしまう。
「こいつがやったんだろうな」
「主って感じがしましたね」
その後も色々回りながらモンスターを狩っていく。粉々の瓦礫の中から骨が出てきたのでそれもインベントリにしまっておく。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。これ、見つけたので」
と骨になった人を出すと、テキパキと片付けて後で照合するらしい。
あとは買い取り場があるのでそこに持って行く。
「ここじゃ狭くて出せませんが?」
「そうですか、では外で」
レッドドラゴンを出すと、
「ひ、こ、これは?」
受付のお姉さんは腰を抜かしていた。
「レッドドラゴンですが」
「ここの主ってじゃないですか」
「ちょっと待ってください」
お姉さんはすぐに上の人を呼んできてくれた。
「狩ったらまずかったですか?」
「いえ、安全になったのでありがとうございます。しかし、でかいですなぁ」
パンパンと叩きながらレッドドラゴンを触る。
「眉間を一撃ですか!凄いですね」
「では一億で買い取らせていただきます」
「一億!」
「それ以上の価値があるのは十分分かってるのですがこちらの買取の最高額となりまして、いかがでしょうか?」
「それでいいです!」
「はい!」
「ありがとうございます」
名刺を貰ったが鈴木さんと言うらしい。
「現金で一億なんて初めてみましたよ!」
「俺は2回目だ」
「半分でいいか?」
「秋さんが、撃ち抜いたんだから秋さんのものですよ」
「でも「パーティーでもそれはもらえません」そ、そうか」
インベントリにしまう。
「それに他のモンスターでも買い取り金額が半端なかったじゃないですか!」
「こんなに金になるんだな」
まぁ、異世界でもこんなもんなのか。
命をかけてモンスターを狩ってるんだしな。
「明日は休みにしようか?」
「ですねー、最近動いてばっかでしたからね」
「明日昼まで寝るぞー!」
「おー!」
電車で家まで帰って行く。
習慣で朝目が覚めてしまった。寝ようと頑張ったが眠れない。リビングに出ると同じように起きている冬夜に挨拶をし、顔を洗う。
「あんまし眠れなかったですね」
「もう習慣だな。まぁ、ゆっくりしようや」
「はい」
二人してリビングのソファーでスマホゲームをしている。『ファイナルブレイブ』も儲けているようで復刻イベントや、ガチャイベントが多くなっている。
そして、新ジョブ追加のお知らせが来ていた。陰で見えないが期待できるな!
それと同時に悪い知らせが入る。
「秋さん!ダンジョンメイカーがアップデートしてますよ!」
「はぁ?なんでだよ」
「こんどは鉱石などの採掘場所や休憩所の設置、マスタールームの追加、大型モンスターの新規追加らしいです」
「あぁ。そりゃ厄介だな」
「エンシェントドラゴンならすぐ倒せたけどなぁ」
「ですよねぇ」
ん?マスタールームの追加か?
もしかしたら攻略したらマスタールームに行けるんじゃないか?そうすれば。
「悪い話だけではないようだな」
「へ?そうですか?」
俺は冬夜に説明して、
「なら犯人がわかるかもしれないですね!」
「な!」
その日、俺達は俺の奪ったダンジョンに潜って100階層のマスターコアの部屋に飛んだ。
「マスタールームに行きたい」
「現在マスタールームには別のマスターがいますが転移しますか?」
「転移する」
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