第34話 スキルポイント


 ダンジョンコアのマスターになり、このままの状態を維持にして、転移陣から外に出る。

 三つ目のダンジョンマスターだな。


 異世界に来てからあまり異世界の人と関わらなかったが、ニーナの商店へ行ってみる。

「あ、お久しぶりです。買い物ですか?」

「久しぶり、買い物もしたいけどちょっと聞きたいことがあって」

「ならおくにいきましょう、ここはたのんだわよ」

「はい」

 ニーナは従業員に任せて俺たちを客室に通してくれた。

「いま紅茶いれますから、ちょっと待っててください」


「何の話をするんですか?」

 冬夜は不思議そうだ。

「ちょっとな」


「おまたせしました」

「ありがとう。じゃあ、単刀直入に言うと俺たちは異世界人なんだ」

「わかってましたよ、強いですもんね」

 分かって雇ったのか。

「で、こちらのことをよく知らないので色々聞きたいんだがいいか?」

「いいですよ、私のわかる範囲ならですが」

「まず、ジョブは分かるか?」

「はい、16になると神殿で鑑定してもらってジョブが決まりますね。あとはジョブオーブで変えることができます」

 やっぱりか。

 冬夜は驚いている。

「ではスキルも?」

「はい、ジョブに合ったスキルが覚醒することがありますね。あとはスキルオーブで覚えることができます」

 これも思ったとおりだった。

「冒険者はそのジョブとスキルを活かせる職業ってことか」

「そうです。剣士や戦士、騎士は王国に仕えることの出来る職業ですね」

「聖騎士や聖女なんかもいるわけか」

「いますけど凄く稀に出てきますね。選ばれた人間は王国に保護されます」

 ふぅ、

「ありがとう。聞きたいことが聞けたよ」

「ならなによりです」

 俺は異世界のことを何も分かっていなかったんだな。異世界にもジョブがあり、それに沿ったスキルがあるのだ。

「ちなみにジョブオーブはいくらくらいするんですか?」

「ピンキリですが安いもので二千ゴールドくらいでしょうか?」

 冬夜が聞いている。俺の持ってる勇者のジョブオーブはいくらになるのか怖いところだな。

「風魔法のスキルオーブがあるがいるか?」

「え!もってるんですか?買い取らせてください」

「いや、やるよ」

「いえ、これは商売ですので、千ゴールドで買い取らせていただきます」

「そんな高いのか?」

「スキルオーブ自体が少ないですし、それなりに需要がありますからね」

「そうか」

 千ゴールドで売ったのでニーナの店を見て回る。

「うーん、星が低い装備ばかりですね」

「そんなもんだろ、俺たちがチートなだけだよ」


 結局何も買わずにニーナの店を後にする。

「何であんなこと聞いたんですか?」

「いや、こっちの住民はジョブで職業が決まるんだと思ってな。ジョブオーブがあった時から気になってだんだよ」

「でも、剣士でも宿屋をやったりできるんじゃないですか?」

「そりゃできるだろ。でもスキルは生えない」

「あぁ。俺なら冒険者になりますね」

「だろ?」

 だからニーナも必死に商人をやっているのか。俺たちはポイントでスキルツリーを開放していくだけだもんな。

「ん?もしかしたら」

 そこら辺を歩いてる人に鑑定をかけると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ダニエル

レベル 12

職業 大工

伐採

加工


 残りスキルポイント270

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 と出た。動かせるかもしれないな。

 ニーナのところに戻ってニーナを鑑定させてもらう。

「ニーナさん、アイテムボックスは欲しいか?」

「そりゃ、商人ですから欲しいに決まってます」

「ならポイント使うぞ」

「え?え、えーー!!」

 ニーナはビックリしていた。ポイントは使用できてスキルツリーを開放してやっただけだ。

「何かわからないですがありがとうございます!」

「いや、こっちもできるかわからなかったからね」

「え、ニーナさんのスキルにアイテムボックスが入ってる」

 冬夜がビックリしていた。

「そうなんです!夢見てるようです」

「それじゃ」

「ありがとうございました」


 これでこちらの異世界の人のポイントを割り振れることがわかった。

「何やったんですか?」

「俺たちはこっちの世界で鑑定できるだろ?で、残りポイントがわかったからそれを使って覚えさせただけだよ」

「げ、なんてことしてるんですか」

「いや、何となくできるかなぁって」

「ニーナさんだったからよかったですけど、他の人にやっちゃダメですよ?」

「おう、これはやらない方がいいな」

 かってに割り振られて行くんだからそれにまかせたほうがいいだろう。

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