第32話 ピカピカ勇者と厨二魔王
「クソクソクソ!なんでエンシェントドラゴンが倒されるんだよ!」
ダンジョンメイカーでの最高モンスターはエンシェントドラゴンだ。
だめだな。
「あの方法は時間がかかりすぎるし。
「アップデートこないかな?来るわけないか」
しょうがないから地道にダンジョンを構築していく。
普通の人もレベル上げに参加できるなら人が入るだろ。
ダンジョンメイカーは人が入るとポイントが貯まる、殺されるともっと溜まる。
それでダンジョンを強化していくゲームだ。
課金要素もあり今まで出た星10のエンシェントドラゴンも倒されてしまった。
『カキヨム』書いてるやつもいいことしてくれるじゃねぇかよ。
「
「うっせぇ!ババア」
飯を食いながらどうやったらポイントが貯まるか考えている。
やはり簡単なダンジョンだな。
たくさん作ってポイントを貯めることから始めよう。
こんどこそ、あの勇者と魔王をぶっ潰してやる。
♦︎
一躍時の人となった俺たち二人だが、『ファイナルブレイブ』と『ダンジョンブレイカー』の宣伝だけして画面からは消えた。
馬場さんと万場さんにはちゃんと宣伝してくださいと二つのゲームの武器を分けてもらい展示してもらう。
そしてついに、『ファイナルブレイブ』で魔王装備ガチャが出来たようで、そりゃガチャをぶん回してちゃんとゲットしましたよ!
『ダンジョンブレイカー』もようやく調整が終わりレベル上限が150になった。そして星10武器防具もガチャに加わった。
冬夜もガチャをぶん回していた。
魔王装備の見た目はさすがと言うか厨二だが、性能が凄い。全ステータスに+10%に罠によるダメージカットだ。
勇者装備も似たようなもので全ステータス+15%に光属性らしい。
「僕の装備も星16になりましたし、言うことなしですね!」
さっそくレベルを上げに行きレベル150にした勇者冬夜はスウェット姿でスマホをいじっている。
「だな。俺も魔王がレベル上がったから装備も星17にできたしな」
俺もジャージ姿でビールを飲んでいる。
テレビにはあの時の俺たちが映っていて、恥ずかしいやらなんやら。
お袋からも電話があり、自慢してるとのことだった。
「あれだな、外歩けないな」
「そんなことないですよ?」
「冬夜は平気かも知れないが、俺は恥ずかしすぎるぞ」
「あー、あの時は見た目装備してなかったですからね」
「やめて、言わないで」
「真っ黒でいいじゃないですか!僕なんてシルバーでキラキラしてるんですよ」
「あははは」
「笑うとこじゃないです」
せめて見た目装備しとけばよかったのにと反省している。
「まぁ、これでダウンロード数も上がったから潰れることはないですよね」
「あぁ、アプリな!一位取るとは思わなかったよ」
『ファイナルブレイブ』はアプリダウンロード数月間一位を取った。凄いことだ。
そのおかげで、装備も売れているそうだ。
いまもそれようにガチャを回しているところで、スマホをいじりながらテレビを見ている。
「よくそんな器用なことができますね」
「ん?ガチャ回してるだけだからな」
「まぁ、それならそうですかね」
ビールを一口飲む。
テレビ画面には倒壊した建物が映し出され、どれだけの人が亡くなったと言っている。これも全部ダンジョンメイカーを操ってるやつのせいなのにそこには焦点を当てていないのはなぜだ?
それこそ国が動けばいい話じゃないのか?そう簡単にはいかないのかな?
あぁ、魔石燃料の話もあるな。ダンジョンを潰すには惜しいとか考えてるのかな?
「眉間に皺寄せて何考えてるんすか?」
「あぁ、ダンジョンメイカーのことだ」
「かんがえても仕方ないですよ」
「だよなぁ」
ラスボスでダンジョンの最奥にでもいてくれればいいんだけどな。
いまは東京だけだけど、そのうちダンジョン全体が暴走したら大変だぞ?そこんとこどう考えてんだ?
小さいダンジョンは消していこうかな?
そうすれば少なくてもダンジョンが絞れてくるだろうが、探すのも大変だしな。
スマホに通知が来る。
『カキヨムの更新がありました。アップデートします』
「今度は何だよ」
『アップデート完了しました』
レベル制度の導入?
「あぁ。アプリ持ってない人用にか!」
「それならいいですね!自衛できますし」
「この人は普通の人のために動いてるんだな」
「みたいですね」
「なるべく多くの人がレベルをあげてくれればいいが、なかなかそうはいかないだろうな」
「でもいいことじゃないですか?」
「そうだな!」
ギルドがどう動くかだよな。
「まぁ、考えても仕方ありませんよ」
「うるせ!ピカピカ勇者が」
「な!厨二魔王のくせに」
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