勇者と魔王
第24話 お部屋探し
蝉がうるさい季節になってきた。
とりあえず俺は元気ですが東京に戻ってきてからは色々あった。
まず、東京ダンジョンの変化に気付いた速水君が俺を問い詰めてきた。知らんぷりをかましたが、まぁ、何とかなるだろ。
あとはいろんなところにダンジョンが出来た。すぐに攻略できるが多すぎて手が回らないらしい。ダンジョンメイカーが何かしてるな?
馬場さんと万場さんの二人はまぁ色々卸している。ポーションやら武器防具をね。
あと俺のアパート、じゃなくて大家さんが建て替えるらしいので出ていってくれとのことだった。まぁ、隣の人が亡くなったのにずっと住んでる俺も俺だがな。
というわけで絶賛部屋を探しているところです。まぁ、金はあるが仕事がないからちょっと困っている。馬場さんが万場さんあたりに部屋がないか聞いてみようかな?
ワンルームでいいのだが、なかなか貸してくれないのが現状だ。いっそのこと異世界に住むのもありっちゃありなんだがな、電気が無いのとスマホが使えないのがダメなんだよなぁ。
あれからはあんまり異世界には行っていない。レベル上げも魔王になってから別にいいかって感じがしている。
無気力症候群なのかな?
だが部屋を探さないといけないので恥を忍んで馬場さんに聞いてみよう。
「ありますよ?」
「マジっすか!」
「ちょっとでかいですけどね」
「え?ワンルームとかでいいんですけど」
「えーと。パーティーハウスのようなものです」
「パーティー?」
「はい、うちの方で冒険者用に貸し出しているのはパーティー単位になってしまうので、ある程度広さのある部屋しかないですね」
「どれくらいなんですか?」
「4LDKとか」
「広いっすね!俺は一人ですよ?」
「ですよね」
まぁ、金はあるから借りてもいいけど、やっぱ広すぎだよな。
「見てみますか?」
「はい」
見てみて決めればいいだろ!もうしょうがない。
「広っ!」
「ここが38万に管理費が1万ですね」
「月39万か」
ありっちゃありなんだよな。
「どうします?」
「んじゃ借ります!」
「分かりました」
俺はサインをして借りることにした。
あんなオンボロアパートからこんな広い部屋になっちまったや。
とりあえず来週からということで、電気屋水道その他諸々を契約して、アパートの大家には菓子折り持って行って、と忙しい日々が続いたがようやく落ち着ける様になった。
家具なんかは新しく買ったのでインベントリに入れて設置していった。
今日からここが我が家だ。
馬場さんには心から感謝して菓子折り持って挨拶に行った。
「いえ、借りる人がいなくて困ってましたから」
とのことだった。
まぁ、星10武器でも渡しておこう。良い客引きになるといいが。
「い、良いんですか?」
「売れたらでいいですよ、飾っといてください」
「ありがとうございます」
さて、部屋の問題も片付いたし、あっちにも拠点を構えるのも良いかもな。
異世界に転移する。
王都に入るとやはり混雑してるな。もっとのんびりしたとこがいいなぁ。
ギルドで地図を見せてもらう。
建築アプリとかなら自分で作ったのにと思いながら見ていると、
「葉山さん」
「ん?あ、速水君」
「どこかに行くんですか?」
「ここは人が多いからもう少し落ち着いた場所がないかなぁってね」
「なら僕も一緒にいっていいですか?」
「いいけど、どうして?」
「まぁおんなじ理由ですかね」
ならと二人で地図を見て南に向かうことにした。寒いよりはいいしね。
「葉山さんは星幾つの装備ですか?」
南に向かいながら速水君と喋る。
「あぁ、これは見た目装備だよ、本当は星15だな」
「えっ!そんなのあるんですか?」
「ブラックスミスで強化したんだよ」
「いいなぁ、僕なんて星7ですよ?」
「あとで強化してあげるよ。あと秋でいいよ、葉山と速水だから似てるしな」
「じゃあ僕のことも冬夜でいいですよ、それでレベルは?」
「142だよ、もう隠す必要もないしな」
「凄いですね!僕はいま96ですよ」
「へぇ、なら星11までなら装備できるだろ?」
「はい!よろしくお願いします!」
「ジョブは何なんだい?」
「勇者です!やっぱり恥ずかしいですね」
「ハハッ!勇者は俺もなれるよ」
「そうなんですか?ジョブいくつ持ってるんですか?」
「んー?十個くらいかな?」
「それは凄いですね」
モンスターが出てきたら二人で倒しながら旅は続く。
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