第19話 時戻しの砂


 俺はまた異世界のダンジョンでレベル上げをしている。ブラックスミスも順調にあがっているが、ほかの職業も上げたい!でも我慢だ!ブラックスミスさえ上がれば武器防具が強くなるんだから!

 

 ダンジョンをハンマー片手に無双して行く。ブラックスミスも強いんだが、なんか違う気がすんだよなぁ。と思いながらモンスターを倒す。モンスターを倒すと魔石とたまにドロップアイテムを落とす。流石に300超えたら上級ポーションとかも落とすようになっているのでちょっと嬉しい。


 いまのブラックスミスの武器防具は星10だ。レベルでゴリ押ししてるだけ。


 さすがに400階層のボスは倒せないと思うので300階層でレベルを上げている。


 さて今日はこの辺にしておくか。

 スマホを開いてアプリで地球に戻る。

 シャワーを浴びて出てくるとビールを開ける。これがたまらん!

 テレビをつけるとまた速水君が出ていた。ファンクラブでも出来たのか?

 

 と思ったら片腕がない?

「流石にダンジョンを甘く見てました!すいませんでした!」

 いや速水君が悪いわけじゃないだろ!

すぐにギルドの馬場さんに電話すると、上級ポーションがあると伝える。それでうでが回復してくれればいいのだが。


 次の日にはギルドに向かい上級ポーションを渡す。速水君もきていた。

「初めまして葉山秋といいます」

「ご丁寧に、どうも、速水冬夜です」

「よし使ってくれ!」

「はい」

 上級ポーションを飲み干す速水君の腕が生えてきた。けっこうグロかったがなんとか直すことに成功した。


「やった!」

「あ、ありがとうございます」

「いや、速水君が悪いわけじゃない。ダンジョンメイカーなんてやってる奴が悪いんだ」

「はい!僕は負けません!」

「これが今持っている上級ポーションだから使ってくれ!」

「こんなに…」

「そりゃそうだ、頑張ってる若者にはおじさんは弱いんだよ」


 上級ポーションを受け取ってもらい、速水君と別れた。

「凄い効き目でしたね」

「自分でも驚きましたよ」

「でもよかったんですか?あれだけあれば」

「いいんですよ、またつくればいいだけですから」

 じつは上級ポーションの素材は結構レアでゲームでも手に入りにくい。

「中級ポーションならいくらでもつくれますよ?」

「ならまたお願いしますね」


 俺はゲームをやって素材集めをしている。これが売ってれば買うんだけどなぁ。

 なんとかちょっとづつ手に入れて行く。

 ゲームの方を楽しむのは久しぶりだな。

 今週のイベントはミニゲームか。

 

 あまり得意じゃないがなんとかクリアするとポイントが貰える。それで欲しいものをゲットするのだ。時戻しの砂がある。これはぜひゲットしたいところだ。


 寝る間も惜しんでやった結果ようやく時戻しの砂をゲットした。これで俺は若返ることができる。本当はゲームでの失敗何かをやり直す目的で作られてるが、これがあれば俺は十年若返ることができるはず!


 アイテムを取り出すと逆さまにして砂時計のように流れる砂を見ていた。

 結局あれから寝不足で寝てしまったがどうなった?………成功だ!どうみても若くなっている。25歳の俺だ!

 

 よし、やる気が出てきたぞ!

 ブラックスミスの装備で異世界に転移する。ダンジョンに入り350階層あたりをうろうろしてモンスターを倒す。本当によくあるレベル上げだ。


 ウロウロとしながら見つけたら狩っていく。単調な作業だが油断すると危ないからな!


 ようやく300台に入ろうとした所でイレギュラーか?さっきまで赤いミノタウロスばかりだったのに青いミノタウロスが出てきた。

“ズドンッ”と体当たりされ吹き飛ばされた俺はすぐに侍にジョブチェンジをして抜刀一閃を繰り出す。青いミノタウロスは腕を斬られ怒っているようだがこちらもいっしょだ!

ハルバートを待った手に力を込めて片手で力いっぱい振り回すブルーミノタウロスを刀で軌道を変えてそらし、そこにまた一閃を浴びせると事切れた。塵になったそこにはハルバートと一緒にシンプルなネックレスが落ちていた。運++のネックレス。

 でも危なかった、片手であの力だと最初からいっとかないとダメだった。

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