第8話 ゴーグルアース
今日は朝から憂鬱だ。雨降ってるし、仕事やだなぁ。
と思いながら朝の支度をしている。
スーツを着て朝飯にパンを齧って出かける。
満員電車でギュウギュウにされながら痴漢に間違われないように鞄を胸の前で持って吊り革に掴まる。
アブラギッシュなおっさんの頭を嗅ぎながら吐き気を催しなんとか会社に辿り着くと朝一番から課長に仕事を押し付けられる。
また終電だな。
昼を跨いでようやく昼飯を食べ夜食を買って会社に戻ると残りの仕事を片付けるべくパソコンの前に座る。
スマホをいじる時間なんてない。
はぁ、俺は何をやっているんだろう。
どうせ時間が止まってるならとスマホのアプリを起動して異世界に飛ぶと、
「一日であんな量の仕事ができるかぁ!」
とシーフにジョブチェンジして無双する。
どんどん出てくるモンスターを蹴散らしながら進んでいく。
「ふぅ、少し気が晴れたな!」
魔法使いにジョブチェンジしてシーフと同じようにレベル上げをする。
ある程度がんばったからアプリを停止して会社に戻り仕事をこなす。
そういえば商人があったな。それでスキルツリーを解放すればすこしは楽になるんじゃないかと思いながら仕事をする。
やはり終電ギリギリで帰ってきた。
「はぁ、とりあえず行くか」
アプリを起動して異世界のダンジョンに戻る。魔法使いのままだったので商人にジョブチェンジしてみると、「無理無理無理」これじゃ弱すぎてモンスターにやられてしまう。
魔法使いにジョブチェンジして上の階を目指すと途中から商人にジョブチェンジしてレベルを上げて行く。
商人のスキルツリーは、
・話術
・計算 ・ディスカウント
・交渉 ・オーバーチャージ
・所持限界量増加
・ディスカウント、購入する際値引きが適用される。
・オーバーチャージ、売却の際追加で利益を獲得する。
・所持限界量増加、アイテム所持数の増加。
口下手だから話術や交渉がいい方向につながればいいんだが、計算もミスがなくなればいい。
商人の最高レベルも60と低い設定なので今日でいけるかな?
ダンジョンを降りながら商人のレベルを上げて行く。やはり商人なのでレベル上げが大変だ。ほかのジョブのスキルを使えるがなかなかうまくいかない。
結局この日はレベル40で断念し、日本に帰る。まぁ、話術、計算、交渉は取ったから明日試して見れる。
次の日は朝からバタバタしながら出た、遅刻ギリギリだったのもあって課長の機嫌は最悪だ。
「葉山くん。もう少し早く出勤できないのかね」
「遅刻はしていません。それよりも少し仕事量が他の人より多すぎる気がするのですが?」
「な、何を言っているんだ!私はちゃんと仕事を振っているのだぞ!」
「いや、少し他にも割り振ればいいだけだと思うんですよ。私だけ終電で帰ることもないと思うのですが?」
「そ、それはだな」
「残業つけていいならいいんですが」
「それは如何!できないのはお前のせいだろ?」
「いえ、仕事量の違いは目に見えていると思いますが?」
「う。それは」
「では労基に」
「それもいかん!分かった!少し考えてみる」
「ありがとうございます」
これですこしはやりやすくなったかな?
職場のみんなは唖然としている。いつも黙って受けていた俺が急に喋っているのだからな。
「あ、ここ計算ミスしてますよ」
「え?あ、ほんとだ、ありがとう」
他人の仕事も目を通すことができるようになったし、自分に回ってきた仕事量も目に見えて少なくなったので万々歳だ。
そして久しぶりに定時で帰れた。
帰ってすぐに異世界転移して商人のレベル上げをしてレベル60まで上げた。そして魔法使いとシーフのレベルも上げている。
ある程度上がってきたので今夜は家でゆっくりすることにする。
日本に戻ってきた俺はビールを飲みながらスマホでゲームをしていると異世界転移アプリからお知らせがあった。
『ゴーグルアースとのアプリを同期します』
「は?」
『同期完了しました、アプリのアップデートを開始します』
「まじかよ」
ゴーグルアースとは地図アプリだ。異世界転移と同期したらどうなるんだ?あっちのちずがみれるだけならいいが。
『アップデート完了しました』
俺は焦ってテレビをつけてみると、ニュース速報で未知の生物が発見されたので外出はお控えくださいと出ている。
いや、なんでゴーグルアースと同期しようと思ったんだ?
ネットを調べてみると書き込みがあって、
[マジ誰だよ?こんなことするやつ!]
[ゴブリンがいたんだが]
[交通機関がストップして帰れない]
[オーガが外にいるんだが誰か助けて]
「え?これやばいよな?」
なんで異世界と繋がってるんだよ!やばいだろこれ!
俺も外に出てみるとオークがいた。
「うわ。まじかよ」
とりあえず倒してしまうと、いろんなところにモンスターが出現してしまっているようだ。
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ゴーグルマップよりアースの方がいいと思って修正しました。
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