第12話 はじめての配下

—なんだったんだ、あれは?

夢…?それにしてはずいぶんリアルな…しかし、私はあんな経験したことがない。

だが、何か「懐かしいもの」を感じた…見た気もする。

一体どういうことだ…?

まぁ、いいか。今はひとまず、ステータスを確認するとしよう。

進化したことで、ステータスも大分上がっているはずだしな。


名前:なし

種族:スケルトン・キング

Lv:40


HP:400/400

MP:0/0


STR:450

VIT:450

INT:0

MIN:1

AGL:400

LUK:100


ユニークスキル:【傲慢】

スキル:【アイテムボックス】【鑑定】【言語理解】【成長加速】【思考加速】【剣術】【看破】【体術】【王の威圧】

称号:【元異世界人】【知恵を持つ魔物】【幸運者】【同族殺し】【見破りし者】【傲慢な王】


スキル【王の威圧】:

常時発動。自分よりレベルの低い相手を近寄らせない。


称号【傲慢な王】:

スキル【傲慢】を持った上で【王種】に進化したモノ。

効果:スキル【傲慢】の効果が強化される。


スキル【傲慢】:

ユニークスキル【傲慢】:

世界中で最も傲慢であると認められたモノだけが所持できるスキル。

また、【傲慢】を所持できる資格のあるモノは、スキル覚醒前に一部の効果を持っていることがある。

効果:

格上進化の段階が上との戦闘時、常時ステータス3.5倍

同格進化の段階が同じとの戦闘時、常時ステータス2.5倍

・レベルアップ、進化を行った際、通常の2.5倍ステータスが上がる

格下進化の段階が下からの影響を受けない

格下進化の段階が下を倒した際の経験値が発生しない

格下進化の段階が下を倒した際、稀に【支配状態】にする

・逃走や敗北など、自尊心を傷つけられた場合、【暴走状態】になる

・生物からのヘイトを集めやすくなる

・自分の攻撃により自分がダメージを負うことがなくなる


…ふむ、大分強くなったらしい。

ステータスが強化されているのはもちろんのこと、新しい称号やスキルがある。

特に【傲慢】の効果が強化されたのが非常にありがたいな。

その分デメリットも増えてはいるが、そこまで大した影響はないだろう。

それより気になるのは【支配状態】とかいうものだ。

異世界物でよくある【テイム】や【使役】【奴隷】なんかと同じなのだろうか?

まぁ、ここに関しては一度試してみるしかなさそうだな。

それと、称号の説明にある【王種】というのは、名前にもついている【キング】のことか?

もう一つの【王の威圧】に関してはどこが変わったか正直あまりわからないが、恐らく範囲が広がったとかそういう類のものだろうな。

とまぁ、ひとまずこんなところか。

その辺の魔物で一旦試してみたいところだが、この階の魔物は大体狩りつくしたし…

一度下の階に戻ってみるとしようか。

というか、このダンジョンの出口は一体どこにあるんだろうか?

てっきり、キングを倒せば魔法陣でも出てくるものだと思っていたんだが…まぁいい。

今はスキルの検証が先だ。

…というわけで、スケルトン・ウォリアーたちのいる2階へと戻ってきた。

やはり、ここは上に比べて騒がしいな。だがまぁ、誰も居ないよりは大分ましだ。

そんな風に考えながら、周りの魔物たちをどんどん倒していく。

しかし、初日は1体も【支配状態】にはならなかった。

これはまた数日やり続けるパターンか…?この階はこんなことばかりだな。

そう考えつつ、そのまま数日経過。倒した数は既に1000体を超えた。

今日もまた、目の前に居るスケルトンを倒して次に向かおうとしたその時。

普段とは何かが違うような気がした。

急いで振り向くと、そいつが立ち上がっていたのだ。

しかし、こちらに攻撃を仕掛けるようなそぶりもない。

もしかしてと思い、倒したそいつを【鑑定】してみる。

するとステータス欄に【支配状態】の文字が。ようやく来たか。

これだけ倒してやっと1体となると、基本は0.1%程度と考えた方がよさそうだな。

というか、こいつには何をさせられるんだ?

疑問に思いつつ、ひとまず身振り手振りで周りの敵同種を攻撃させる。

すると、

《スケルトンのレベルが10に上がりました》

という声。

…これは、もしかするともしかするかもしれんな?

そう考えつつ、そういえばまだこいつにも私にも名前がないことを思い出す。

いままでは1人だったから必要ないかと思っていたが、もしこいつが魔法を操って喋れるようにでもなれば名前は必要か。

名前を考えるというのは少し面倒だが、まあいい。

私に関しては前世があるのだからそれでいい。

前世の名前である「未菜」つまり「ミナ」だ。

昔からこの喋り方で誤解されがちだが、私はれっきとした女性だ。

それから、そうだな…スケルトン、骨、ボーン…兵…ポーン…うん、ポーンでいいだろう。

そう考えると同時、

《スケルトン・キングの個体名を【ミナ】に設定します》

《スケルトンの個体名を【ポーン】に設定します》

という声に続き、

《条件を満たしました。個体名【ミナ】の特殊進化を開始します》

《条件を満たしました。個体名【ポーン】の特殊進化を開始します》

…ああ、なるほど。特殊な進化はレベルを満たさなくても可能なのか。

…眠いな。


—再び目を覚ますと、私は「スケルトン・クイーン」に、ポーンは「ロイヤル・スケルトン」にそれぞれ進化していた。

私に関してはステータス自体はほとんど何も変わりなかったが、新たな称号【配下を持つもの】を獲得。

その効果で【支配状態】の魔物と【念話】…つまり脳内で会話が出来るようになったようだ。

ポーンに関しては私以上に変化しており、ステータスが元の数倍…大体スケルトン・ウォリアーくらいのステータスに上昇し、更に新しい称号【最初の配下】と【傲慢なるものの系譜】を獲得。

どうやら、前者の効果で私以外からの状態異常を受け付けなくなり、後者の効果で強化前の【傲慢】の効果を受けられるようになった。

とはいえ、デメリットもそのままついてくるし、上昇するのは同格で1.5倍、格上で2倍までのようだが。

いくらか格落ちとはいえ、これはいいな。

これなら、この辺りは一人で任せても大丈夫だろう。

というか、まだ通常の進化が一度も行われていない状態でここまで強いとなると進化した時が末恐ろしいほどだ。

そうと決まれば、一旦ポーンにはこの辺りでレベル上げをしていてもらい、その間に私はこのダンジョンの出口を探してみるとしよう。

少なくとも一番上にはなかったし、1階と2階を重点的に探してみよう。

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