第10話 デジャヴ
どうやらセイント・スケルトンが敵の回復をしているらしい。
とはいえ死者蘇生まではできない。
であればこのまま押し切るとしようじゃないか。
…さて、そうは言ったが、それはつまり「1体につき一撃で倒しきらなければいけない」ということ。
となれば、やはり上段に振りかぶって打ち込むあの一撃を全員に当てていく必要がありそうだ。
しかし、あれは非常に隙が大きい…どうにか当てられる隙を作らなければ。
…というか、「あれ」とか「あの一撃」とか呼びづらいな。
ひとまず、【インパクト】とでも呼ぶか。
それはともかく、今までは流れでどうにか打てる状態を見つけて打っていたが、現状では時間をかけると最悪挟み撃ちになる可能性がある。
つまり、極力最短で隙を作り、一撃で確殺していかないといけない訳だ。
かなり大変ではあるがやるしかない。
まずは、目の前のこいつからだ。
そう考え、目の前のナイトに向かい全力で突進する。
当然、相手も剣を構えて私を切ろうとしてくるが、相手の剣は先ほど一撃入れた時にへし折っておいたから私の方が有利。
そう考え、そのまま思い切り剣を振り抜く。相手も折れた剣で対抗してくるが流石に受け止めるのは厳しかったらしい。
そのまま全力で押し込み、骨を断つ。
また立ち上がられると面倒なので、もう一度剣を振るい今度こそ頭を粉砕。
《レベルが34に上がりました》
そこまでやってようやく安心して、後ろを振り向く。
すると、残りの1体が剣を抜いて振り被っているのが見えた。
急いでおいて良かったらしい。
そのまま切ってこようとしてきたので、思い切り剣をぶつけてどうにか相殺。
防がれたと知った相手がもう一度振るってくるので再び防ぎ、そのまま剣を跳ね返す。
相手がのけぞったのでその隙に【インパクト】を食らわせる。
《レベルが35に上がりました》
…さて、ナイトは全員倒した。
残りは後ろに居るセイント・スケルトンたちだけ。
そう思い剣を向ける。
すると、3体いるうちの1体が拳を握りしめ、こちらに突撃。
どうやら素手で対抗すると決めたらしい。
とはいえ私もまともに食らうほどお人よしではないので、そのまま腕を剣で切り裂く。
更に、返す剣で相手の首を跳ね飛ばす。
それにより、宙を飛ぶ敵の頭部。
《ㇾベルが36に上がりました》
確実に倒せたという報告を聴き届けつつ、次の標的を定める。
そのまま突撃し、下から剣を跳ね上げて相手の足を切り裂く。
それにより地面に落ちた頭を剣で突き刺し、確実に仕留める。
《レベルが37に上がりました》
そのまま剣を抜こうとした瞬間、横から衝撃が来て、そのまま転がる。
急いで衝撃の来た方を向くと、そこに立っているのは最後の1体。
どうやら横から体当たりされたようだ。
そのまま、そこにある剣を抜こうとしている。
回復役がそう簡単に剣を扱えるとは思わないが、流石に武器を渡すのはまずいだろう。
というわけで、急いで近寄って右手で相手の顔を思い切り殴り飛ばし、耐えられたので右足で蹴り飛ばす。
敵が倒れたので、隣に刺さっている剣を抜き取り、頭を切り飛ばす。
《レベルが38に上がりました》
そのまま部屋の奥の扉に向かい、押し開ける。
そこにいたのは、パッと見では「ただの少し大きなスケルトン」だった。
何故ここにスケルトンが…いや、進化系か?
だとしたらどういう系統の敵なんだ…?
ナイト、キューショナー、ウィザード、セイントとは戦った。
他に居るとしたらなんだ…?そう思いつつ【鑑定】を使う。
そして、私に見えた鑑定結果は「スケルトン・キング」だった。
…キング?つまり、ついにボス部屋か?
しかし、それにしてはやつしかいないような…?
それに武器すらない。
あるいは、後々召喚するタイプか?まぁ、いい。
とりあえず切ってみるとしよう。そう考え、目の前のボスに突進。
そのまま敵の腕に対して剣を振るってみると、意外にすんなり切れてしまう。
その勢いで、とりあえずもう片方も切っておく。
…あっけなさ過ぎて少し驚いた。
…いや、【傲慢】の効果でステータスが上がっているし、そのせいか。
キングというくらいだし、格上でもおかしくない。
であればステータス3倍だしな。
それに、先ほどの戦いでレベルもいくつか上がっている。
となればここまで楽に切れてもおかしくはないか…
まぁ、ひとまずそれは置いておいて奴の頭を切らないと。
そう思い、奴に視線を戻す。
すると、「こちらに迫っている拳が見える」。
…は?
呆けたその瞬間、宙を飛ぶ私の体。
そのまま地面に叩きつけられ、転がる。
…何故?しっかり切ったはず。
しかし、実際今腕が治って…「治って」?
どこかで聞いたことがあるような…ああそうか、セイント・スケルトンだ。
「後で召喚する」じゃなかったんだ。「既に召喚していた」んだ。
しかし、それにしてはやつらの姿が見えない。
後ろの方にいるんだろうか?
まぁ回復源さえ断ててしまえば、このボスは大分楽に倒せそうだ。
となればとりあえず、セイント・スケルトンがどこにいるのか探すのが先決だな。
吹き飛ばされたことによる痛みも多少あるが、どうにか堪えて立ち上がる。
視界にボスが向かってきているのが映る。
そのまま部屋全体に視界を巡らせ、ひとまず部屋の柱に標的を定める。
恐らく、何かを隠すならそういう場所だろう。
そう考え、そのまま全速力で走り出す。
そして、どうやらそれは正解だったようだ。
柱の後ろにセイント・スケルトンが立っている。
それを視界に捉えた瞬間剣を振るい、当然のごとく一撃。
念のために頭部も潰しておく。
《レベルが39に上がりました》
そうしてボスが追いかけてきている方を見ようとする。
その時、今いた柱に突然腕が生えた。
いや、正確にはボスが柱を殴ったのだ。
それに気づいた瞬間、前に転がって回避。
急いで振り向き、剣を構える。
敵は柱を殴ったまま止まっているようだ。
その隙をつくとしよう。
速攻で近づき足を切り、転ばせる。
それにより頭が近くに来たので、そのまま切り飛ばす。
ボスだから更に動いてもおかしくないと思いつつ、慎重に剣を構える。
その瞬間、
《レベルが40に上がりました》
《条件を満たしました。進化を開始します》
という声が聞こえ、徐々に私の意識が消えていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます