第2話 絶望の訪れ

《レベルが3に上がりました》

…ふう、なんとか倒せた。

というか、スケルトンってこんなに脆いのか…私も気を付けないと。

それにしても、もうレベルが上がったのか。【成長加速】のおかげだろうか?


名前:なし

種族:スケルトン

Lv:3


HP:30/30

MP:0/0


STR:7

VIT:4

INT:0

MIN:1

AGL:4

LUK:15


スキル:【アイテムボックス】【鑑定】【言語理解】【成長加速】【思考加速】

称号:【元異世界人】【幸運者】


よし、ほんの少しずつだけどレベルも上がって来たな。

そういえば、異世界ならとかもあるんだろうか?

進化すれば少なくとも今よりは強くなれるだろうし、できればしたいところだな。

なんせ、最初のやつに関してはLv1だったが同じレベルの私よりステータスが高かった。

だが、特殊な称号やスキルはなかったのだ。


つまり、私のステータスは普通のスケルトンより弱いということ。

やはり、早く進化して強くならないと危なそうだな…

そんなことを考えつつ、一本道の奥へと進む。

出てくる魔物はスケルトンばかりだから、殴れば簡単に倒せる。

とはいえ、横からいきなりきて殴られたりもしそうなので油断は禁物だ。


1時間後


とりあえず、Lv9に到達。

5くらいで進化できるかと思っていたから、少し残念だな。

それはそうと、道のわきに人間の死体らしきものが。

それも骨ばかりになっているから、かなり昔に亡くなったのだろう。


身に着けているものは

さびていようが石よりはマシだろう。

とりあえず、剣だけもらって前に進むとしようか。

少し重いけど、そのうち慣れるはず。

ちなみに、鍾乳石は剣の代わりに置いてきた。


更に10分後


最初は剣を重いと感じていたが、しばらく使っていたら慣れたきたな。

戦っているうちにスキル【剣術】も獲得したし、今のところは順調だ。

まぁ、【同族殺し】とかいう不名誉な称号も手に入れてしまったが…

そんなことを思いながら目の前のスケルトンを切り伏せる。

《レベルが10に上がりました》

《進化が可能です》

お、ようやく来たか。というか、やはりあったんだな…

よし、早速進化してみよう。


その瞬間、突然眠気が襲ってきた。


名前:なし

種族:スケルトン・ウォリアー

Lv:10


HP:150/150

MP:0/0


STR:20

VIT:20

INT:0

MIN:1

AGL:10

LUK:20


スキル:【アイテムボックス】【鑑定】【言語理解】【成長加速】【思考加速】【剣術】

称号:【元異世界人】【幸運者】【同族殺し】


…進化すると眠くなるのか。

寝てる間に襲われなくて一安心だが、次は気を付けないと。

それはそうと、大分強くなったな。

ひとまずAGLは10に上がったし、STR,VIT,LUKは20。

MPとINT、それからMINは一切変わりないが。


まぁこれだけあれば、スケルトン相手ならまず負けないだろう。

とはいえ、さすがにこの広い洞窟にやつらしかいないわけがない。

それこそ私と同格、あるいは私以上の敵がいてもおかしくはないだろう。

そういう敵にやられないためにも、進化はどんどんしておきたいところだな。

それに、進化していけばいずれは魔法が使えるようになるかもしれないし。

さて、そうと決まればガンガン進もう。


更に1時間後


道中のスケルトンを蹴散らしつつ順調に進む。

しばらくすると、少し前に人工物らしきものが見えた。

より正確に言うなら、階段がある。それものぼり階段。

上の階に何が居るか分からないから、ひとまず慎重にのぼってみるとしよう。


そうして階段が終わったところ。

今私は、息をひそめて壁にへばりついている。

なぜかといえば、がいるからだ。

とはいえ、いわゆるなどではない。

それよりよっぽど強そうなだ。


前世の知識があるせいで、超怖いし違和感しかない。

なんせ、周りはスケルトンやウォリアーがうろうろしているだけなのだから。

その上、やつは何かをつぶやいている。

よく聞いてみると、「…いない、一体どこに…」とかなんとか。

ゴブリンの嫁でも探しに来たのならそりゃいないさ。

なんせ骨か岩くらいしかこの辺にはないんだから。


もういいから、さっさといなくなってくれ…

そう願い、壁の裏で息をひそめ続ける。


もはやいっそ、壁にもたれかかって死体の真似でもしてみようか。

そんな妙な考えが脳裏によぎった瞬間、

「…仕方ない。一旦戻るとするか。魔王様にも報告しなければいけないしな」

という声と同時にゴブリンキングが消える。


助かった…のだろうか?

というか、あのゴブリンキング、「魔王様」とか言ってなかったか?

確かにこんな世界だからいてもおかしくはないだろうけれど…。

もし見つかって元異世界人だなんてばれたら面倒そうだ。

これからも極力関わらない方針でいきたいところだな。


閑話休題それはさておき

隠れている間、近くにいたスケルトン・ウォリアーのステータスを見てみたのだが、一番低いステータスでも20はあった。

当然、高いものはその倍以上。

どうにか隙をつかないと、倒すのは厳しいだろうな…

とはいえ、近いうちに同種の1体くらいは倒せるようになりたいところだ。

そうじゃないとこの先、生き残ることすら難しそうだしな。

ということで、一番近くにいたやつを剣で切り付けてみる。


…ところで、私は前世で剣なんて扱ったことがない。

体育の授業で剣道をやったことはあるが、まともに振れた試しがないのだ。

というか、運動全般苦手で、逆上がりすらできなかった。

先ほどまで戦っていたとはいえ、あそこはここ壁のそばとは違い充分な広さがあった。

そんな私が剣をふっており、近くには岩壁がある。

まぁつまりは、思いっきり剣が壁に激突した。

当然だが、今の音で周りのスケルトンたちが一斉にこちらに気づいた。


当然、今狙っていた奴も。


ゆっくりとだが、こちらに向かってきている。

まずいな…ひとまず目の前のこいつだけでもどうにかしないと。

そう思いながら、今度こそ当たるようにと目の前の奴を切り付ける。

しかし相手のAGLが高いせいか、割と余裕をもってよけられてしまう。

こういう時は…三十六計、逃げるにしかず!!

さっき上がって来たばかりの階段を、全力で駆け降りるのだった。

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