第4話


「 ごめんなさい」

「…ぼくのせいなんだ」

「ぼくが来てって言ったから…」


今にも泣き出しそうな顔でティームが、ぽつりぽつり喋りはじめた。


大事な恋人をあんなふうに怖がらせるなんて、いったい何があったのか ボクに判るよう説明してください、昨日の夜 そうティームへメッセージを送ったドラゴンへ ティームからすぐに 明日の朝 家へ行っていいかと、返信がきた。


午前中は仕事を休むことにしたドラゴンは ビッグには1日休みを取らせ、約束の時間ぴったりに到着したティームを迎え入れた。


玄関のドアを開けて やつれて青ざめたティームの顔を見た途端 ただごとではないと感じ、挨拶もそこそこに ベッドにいたビッグをリビングのソファに座らせた。


まだ少し震えているビッグを同席させるべきか迷ったが、ビッグ本人が僕も行くと言ったので、3人でテーブルを囲むことになった。



「…ララと散歩に行ったんだ」

ティームが話を続ける。ララは利口だから、いつもウィンと散歩する道をよくわかっていて、勝手に自分の行きたい散歩コースを決めてくれる。ティームは自分が道に迷わないよう気をつけていればいいだけで あとは犬と一緒に歩いていたらよかった。


ララは 真っ白な長い毛が美しい 誰もが振り返って見るような愛らしい顔をした 小さい犬だった。ティームはララが大好きで、彼女もティームによく懐いていた。



その日、ぼくとララが 2人で散歩に出掛けたのはウィンの家から10分もかからない小さな公園なんだ。


公園は真ん中で左右に分かれていて、左側がクレイコートになっていてね、小学生たちがミニサッカーをしていたり、鉄棒の練習をしているのをよく見かけるよ。

右側はすべり台や砂場、ブランコがあって小さな子どもがママに連れられて来るような感じで、たいてい いつも子どもたちがワーワー騒いでいるんだ。


だけど あの日の昼間は誰もいなかった。

ぼくとララ、2人だけだった。


だから 2人で のんびり公園の中を歩いて すべり台で遊んで、砂場の方へ行こうとしたんだよ。



ビッグが物凄い力でボクの腕を掴む。

痛いよ、ビッグ ヤメて。

大丈夫?


でもそれよりも何よりも、ボクはティームの話の続きが聞きたかった。



Pink-Kiwi🥝


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