第2話


さっとシャワーを浴びて着替えた僕は、ドラゴンから何も聞かれないように急いでいるフリをして部屋を出た。だって、もしどこへ行くか聞かれて、正直に答えたら 絶対一緒に来るって言われるから。



「ねえ ビッグ お願いがあるんだ」

木曜日 一緒に食事をしていた時、真剣な顔でティームが 僕に話しはじめた。ティームの恋人 ウィンが仕事で海外へ行っている間、彼が ウィンの犬 ララの面倒をみているのだそう。


「で?」

「お願いってなあに?」

「一緒に散歩に来てほしいんだ」

「散歩? なにそれ???」


どうしても一緒に来てほしいんだそう。理由を聞いても教えてくれない。


ティームと僕は子どもの頃からずっと友だち。親友というヤツ。だから彼の様子がおかしいことは スグに気づいた。なんだか判らないけど、彼が困っているなら助けてやらなきゃ。


いつもより寝坊したい土曜日の朝、早起きしてタクシーをつかまえ、ウィンの家へ向かう僕は 少しだけドキドキしていた。


そう。これから起こることなんて、知るよしもなかった。



Pink-Kiwi🥝

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