第24モフリ 門戸を叩く尻尾達
――諸事情により二手に分ける事となった一行の
その後、『
その道中にて、両手を頭の後ろへと回しながら歩いていた
「
「何、先程も言ったように突然の訪問じゃからな。如何せんすぐに会うことは叶わんのじゃよ。まぁ、来たことを伝えさえすればすぐに会えるとは思うんじゃがの」
さもありなん、と彼女は答えた。それを受けた
「なるほどねー。やっぱ忙しいんだね、
「ま、そうじゃな」
すると次に
「それはいつものことだから別に良いんだけどね。ただ気になることがある」
「なんじゃ?
「それにしたってどうしてこのメンツなんだい? 訪問するだけなら一人でも事足りと思うけど? それに
その質問にやや真剣な顔で彼女は答えた。
「……
ハッキリとは言わない含んだ物言いで彼女は答えた。
「……この前の
「ああそうじゃ。……して、
「ああそうだが……おいまさか」
今まで何のことか分かってなかった
「恐らくじゃがその虎熊なるものが気づいたのやもしれぬ」
それに対して
「だけどよ! わかった所で何でわざわざ逃げんだよ! 別にそこまであいつらにとって大事なことじゃねぇはずだろ?」
その疑問に彼女も概ね賛同する素振りを見せる。
「まぁそのはずなのじゃが……今回のことは正直な話、読めぬ部分が大きいのじゃ。万が一もあるからの」
「……ハァ、随分と厄介なこって」
思った以上に事態は難解化しているようだ。
「ほっ、そろそろじゃな」
そうこうしている間に彼女たちは目的の建物の玄関の門へと辿り着いた。それは
そしてそこの門番をしていた者が彼女たちに話しかける。
「ここより先は
「なれば
「は、はい」
すると門番はポケットから木製のスマホのような物を取り出して内部の人と連絡を取り始めた。
「ま、これで何とかなるじゃろ」
門番からの連絡を受けた者が例の『
「
「何ね?」
おっとりとして上品な声には厳格な佇まいを感じるものだった。
「その、
その問いかけに彼女は一拍置いて答えた。
「何やあの娘かいな。ええよ、早うお通し」
「はっ」
それを受けた彼女の側仕えは門番に連絡し始める。その間に彼女は独り言を呟く。
「あの娘が
再度連絡を受けた門番はそれを
「通って良いそうです。どうぞ、今門を開けます」
「そうか、ならば……どうしようかの」
彼女が思った以上にすんなり開いたものだから、どうすべきか迷い始める。
それを受けて
「意外とすんなり開いたね」
それに乗じて
「どうすんだよ? あいつら今すぐ呼び戻してくるか?」
「まぁ、そうじゃの。取り敢えず入るとしようかの。……まぁ、あやつらはあやつらで何とか時間でも潰しているじゃろうて」
彼女たちはひとまず、この建物内に入って
そして
――ここで、この
まず、イメージ的には
因みにこの説明もわかり易くしたものであるため、残念ながら完全にその通りというわけではない事を念頭に置いて欲しい。
さて、
「随分とまぁ……お久しゅうどすなぁ、
物腰柔らかい声が主に
「
「ほんに相変わらず冷たいわぁ。何百年
彼女の冷ややかな反応を言葉では残念がっているが、言葉の抑揚からは一切そう思っていなさそうであった。
「……それは無理な話じゃ。それよりもさっさと話進めても良いかの?」
「あら、いけずなこと言い張りますなぁ。ま、お好きにしてええよ」
取り敢えず要件を話して良いという事なので彼女は真面目に話した。
「先日、
「それはお疲れさんどす。それにしては随分と悠長な様子やったけど、何かありましたん?」
如何にもそういう事例が起きているということを既に知っているという口ぶりだった。だというのに随分とゆっくりした様子だったために、
「……なんじゃ知っておったんか?」
「ホッホッホッ、そう怖い顔せんでやぁ。ウチかてここ最近知った事やさかい。……ま、多少の手筈は整えておんやけど如何せんよう分かりまへんからなぁ」
どうやらそれに対して多少は対処しようとしていたらしい。それを知った彼女の顔は先程より少しばかり緩む。
「なんじゃ
彼女は
「そないな事は無いと思いますよて。丁度あんたはんが大好きでしょうがないあの者やって、ここに来れて随分と嬉しゅうにしとります」
どうやら彼女は
「それに現状行方不明のあの忌み物やってもしかしたら……その悪鬼共が保有しておりますかもなぁ」
「そう……なのかもの」
それを聞いた彼女は少しばかり暗い顔をした。それを感じ取った
「……えらいしんみりとし始めましたなぁ。これ以上話すんのも
「そうじゃの。では失礼するのじゃ」
それを了承した
が、最後尾に居た
「……それと
『ビクッ!』っと、
「触れはんかったけど、くれぐれも大人しゅうな?」
「あっ……はははは! も、勿論ですよ!
そうして彼女たちは
そこから離れた後、
「それでどうするんだい? 誰が呼びに行く?」
その問いに
「
それを聞いた
「そっかぁ。……ま、まぁいいか」
「それじゃ
そう言い残して彼女は
「はーい、いってらっしゃーい!」
思いの外、
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☆や♡といった感想等々よろしくおねがいします!!!
さすれば新たな扉が開かれるであろう……
次回予告 尻尾の最上級は久遠
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