未確認シャーク 参
サメ事件の最前線、アメリカにおけるサメ事件の歴史は長い。
古いもので、1953年8月20日。ウィスコンシン州にあったある集落に突然の大雨が降った。それはその集落を飲み込んだ。いや、食べ尽くしたと言った方が正確なのかもしれない。
現在は鮫竜巻、シャークネードの例にあるように、鮫自然災害が最初に観測されたのもまたアメリカ合衆国であった。その災害をレインシャークと呼んだ。
仮説はこうだ。シャークネードのサメ達が発達した雨雲の中で子を産む。その中で育ったサメ達は空の環境に適応し、雨粒の様な稚魚が雨とともに地上に降り注ぎ、成魚になってシャークネードとして天に帰るのだ。
Rain or shine.という英語の慣用句は、Rain or shark.が訛ったものだと言われている。
鮫災害の始まりはこのレインシャークから始まるというのが現在では通説だ。雨粒に似たこの鮫は海に行くとは限らない。それは時に山に地面に家に、時には人に潜り込む。そして、鮫は何処にでも紛れ込む。これは始まりに過ぎない。
と、関田は言った。その目は柳原さんの遠い先を見つめていた。
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