第5話

海外のプレイヤーらしい二人組が俺たちの方に歩いて来た。


「ジョンソン、サムライはカッコいいと思わないか?」


「ダニエル、俺もそう思う。」


「先輩、なんか先輩の事すごい褒めてますよ。」


 俺はそこはかとなく嫌な予感がして、苦笑いを浮かべていた。


「Hey!!!サムラ~イ、もし良かったら、俺とフォトを撮ってくれないか?」


「ジョンソン、ズルいぞ。俺も一緒に頼めるか?」


「あー、まぁ、写真ぐらいはかまわんが、それ以上はお断りする。」


「サンクス。仲間に自慢できるゼ。」


「ジョンソン、俺たちはラッキーだったな。」


 なんだか、ご当地キャラになった気分だ…正直、あまり嬉しくない。


「アテンション!!」


 中央広場に凛とした声が響く。ジョンソンとダニエルの二人は声を聞いて直立不動となった。


「ジョンソンにダニエル、こんなところで何をしている。」


 声の主であろうスラリとした女性士官が、俺たちの方へ歩いて来る。


「はっ、サムラ~イが居たのでフォトを撮ってくれないかと交渉していました。」


「自分もジョンソンと同じく、サムライにお願いしていました。」


「そこの日本人、こいつらはこう言っているが、本当か?」


 どうやら、この女性士官は二人より階級が上のようだな。二人が嘘を言っているわけではないから正直に答えよう。


「確かに二人から写真を撮って欲しいと言われた。俺はそれに応じるつもりでいるが、それ以上の事は応じるつもりはない。」


「そうか。私の部下が失礼をした。」


「別に気にしてないからかまわんよ。」


「そ、そうか…その~、できれば、私もお願いしていいだろうか?」


「二人撮るのも三人撮るのもたいした違いはないからかまわんぞ。」


「ありがとう。ところで、君たちはどこかへ行こうとしていたのではないか?」


「あぁ、【デバイス】を探しに行こうとしていたところだ。もし知っていたら教えて欲しい。」


「それなら【ハンターオフィス】に行けば貰えるぞ。良かったら、我々が案内しよう。」


「それは助かる。和也と田中さんもいいだろうか?」


「オッケーッス。」


「和也と一緒なら大丈夫です。」


 ハイハイ、ご馳走さまです。


「そうだ、まだ自己紹介をしてなかったな。私は『キャサリン=エバーグレイス』階級は【少尉】だ。」


 そう言ってキャサリン少尉は微笑んだ。


「俺は、『ジョンソン=マクシリア』階級は【曹長】だ。よろしく、サムラ~イ。」


 短く刈り上げた金髪の白人がジョンソンと名乗る。


「最後は俺か…『ダニエル=ランドルフ』階級は【軍曹】、部隊ではスナイパーをしている。」


 がっちりとした体格の黒人が、ニヤリと笑いサムズアップする。彼を見ていると黒人なのに『ゴ◯ゴ13』に似ている気がする。

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