第11話 水の妖精
ここは
川岸に建つ
その年は酷い
彼の
不本意な死を遂げた彼らの
さて、道満のもとを訪ねるのは、『
彼はある人物を探しているようだった。
「わらべよ、尋ね人は誰かな?」
道満が尋ねると、どのような服装だった、履物は何だった、髪飾りは云々と、わらべは事細かく説明してくる。
そして見えてきた姿は、年の頃十歳程の少女だった。
殊の外、記憶力の良いわらべに興味を持った道満は話し始める。
「わらべよ、それは
ここ宇治川水系には、所々に深い
彼らは、子供を川に引き込み、
さて、
二人は立ち上がると、宇治川水系で一番深い
◇ ◇ ◇
そして、
道満は
そして、わらべの姿が
その姿は、深い緑色の身体、水掻きの付いた四つ指の四肢を持ち、亀のような甲羅、
わらべは驚く風も無く、
道満が相撲の
しかし、相手は力自慢の
そうこうしているうちに相撲は始まる。
相撲を取る前には、挨拶…頭を下げなければならない。
わらべと
頭を下げると、
皿の水がなくなり足下が
その状態を見計らい、
道満の前に転がる
道満は
さて、わらべの方に視線を移せば、別の
片っ端から
かれこれ一時間過ぎた頃だろうか、あいも変わらず
さて、道満が足元を見れば、
「尻子玉…か。」
尻子玉を抜かれた子供は絶命し、
さて、
それは、中空に留まるものと、土に帰ってしまうもの…。
『
道満の呪術に答え、大量の
すると、大量の尻子玉が道満の周りに出現、中空に留まるもの…土に帰るもの。
中空に留まる尻子玉に手を添え、
『
再び道満が呪術を
コバルトブルーの髪、
「おお…これは…。」
その光景に
その頃には、わらべの相撲も終わっていた。
相撲の終わった
『
彼女らが呪文を唱えると、
怒って、底から女性たちの前に歩み寄ってくるヌシ…その姿は、
そしてヌシが女性たちに手を振り上げた
『砕っ!』
道満の
雨のように降り注ぐ、ヌシの肉塊…そして中空に漂う尻子玉。
『集っ!』
道満の呪術に応え、尻子玉は一つに
光が収まり、道満と
髪の色、肌の色こそ変わっているが、紛れもなくわらべの探し求めていた娘。
彼女は微笑みをたたえながら、水が流れ戻った
娘の行動に呼応するように、他の女性たちも
その姿を見届け終わると
「ありがとう。」
「水の
道満の選べる言葉は少なかったが、彼の目の前から消えた女性たちが、後の世にセイレーンであったり、人魚であったり、
さて、
すると、尻子玉が帰った地面から、水掻きの付いた四つ指の腕が現れる。
やがて腕は地面を抑え、地中から
彼は独特の笑い声を上げると
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