第19話

七月一日 四神学園大学中庭 九時十五分


「教授!」

「早苗くん、遅いぞ。開会式は終わってしまったよ」

 中庭の端にひっそりと置かれたベンチの前で、教授と早苗は合流した。教授が二部確保していたパンフレットを早苗に手渡した。

「どきどきしますわね。志貴さんがどれほどのものか、同じ下宿の者として気になりますわ」

「入場のときは地に足がついていない様子ではあったが。さて、どうかな」

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