集結!四大魔天王!
第五幕 天変超報告会議!
彼の世界、彼の地にて世界の中心に大魔皇王が住まう巨城があった。
その周辺地域は実にのどかで平和的であり、花畑の草原が広がっていた。そこには城下町があり、その町は豊かに栄えていて正しく壺中の天と言える理想郷がそこにはった。しかしそれは魔族にとってであり、人にとっては死地であった。
本日この城にて出張していた四人の魔天王が今集まらんとする。
この日魔王城に住まう者たちは、緊張していた。魔王軍のトップレベルの実力を誇る御方々がこの城に舞い戻ろうとしているのだ、最上級のもてなしをしなければと気を引き締める。その最中に城内の者とは裏腹に城下町ではお祭り状態だった。所謂国の英雄とも呼べる尊きお方たちがこの魔王城へと返ってくるのだからその御姿をまた見たいと思う者や幼きものは初めてそれを見るのだ。それに報告会のために一時的に戻るとはいえ、終わればすぐに現地へ戻る訳では無いので暫くはこの地に滞在する。故に城下町に個人的に顔を出しに来る可能席が高いため露店といった店が多く出店するので町は自然と祭り状態となるのだ。
そうして時は来た。城下町を守る正門の大扉が今開かれる!その開かれた正門から表した姿に民衆は歓声を上げる。パレード形式に馬車が続いていく。音楽隊の横隊が先導して進行している。
「うおおおおおお!!!」
「きゃーー!!カーミット様ぁぁぁあああ!!」
「四大魔天王、万歳ーーーーーーーーーー!!!」
と民衆は口々に褒め称える英雄の凱旋である。そうして馬車は魔王城へと一直線に向かい城内へと入っていく。
かくして共々諸々は報告会を始めた。
円卓に集う者たちの影はわずか5人。四大魔天王と大魔皇王である。この重々しい空気がこの部屋を満たす。この満たされた空間は何人たりとも近づけない。
特殊な鉄仮面を被り、両肩に大きな肩パッドをつけそこからマントが広げられている
大魔皇王軍統括大魔皇王 ディリス・レガリア・ハザーデス が口火を切る
「諸君、定刻通り会議に参加してくれたこと...余は実に嬉しく思う。して今回はーー」
ふんぞり返ったボースの心が動揺する。
(こ、怖いィィ....俺以外の四天王の種族みーんな勝ち組だもん。自分の本来の力量が見抜かれないかいつもヒヤヒヤする。ほら、強いやつってオーラ?みたいなのが見えるとか言うやん。他には素振りとか色々とさぁ....早く終われ〜〜〜〜!!)
会議でカーミットの心が沈む。
(はぁ...相変わらずボースの目はギラついていて怖いわ。今にも暴れ出しそうで、目も合わせたくないわ。シシルゼア様は真面目な顔してるわね、流石は生粋の生真面目魔族。私とはぜんぜん違うわ〜あー暇)
会議にミリシウスの心が強張る。
(うッ...緊張してめまいが...甘いものがほしい...しかし此処で食うわけにはいかない。もしそんな事をしたらシシルゼアさんに殺される!しかしせめて胃薬だけでも...)
会議にシシルゼアの心は上の空。
(まぁ定年通りの流れで終わるだろう。しかし一種のプロパガンダ戦略とはいえ、一々此処に来るのは手間だ。遠距離会議...リモートワークなるものを使いたい。それに相変わらずカーミット殿はキレイだな。そして衰えないこの闘気はボース殿か...ご健在で何よりだ。)
その様子を見てレガリアの心が冷める
(こいつら余の話をBGM代わりにしてるな?余にはわかるぞ。何故ならコイツラを雇ったのはなんせこの余自身なのだからな。ディリスはどう思う?これこのままで良いものか?)
ディリスが心で答える
(それを聞いてどうする?優秀なのは間違いないし、四天王の交友関係等々を深める意図もあるではないか。この世界に存在する勇者と呼ばれる者たちが各地で活躍している状況。複数対一個人は数的に不利。それ故の連携や協力を円滑にするためだろう?)
それに対しレガリアは心で返答する
(もしもの策としてだがなそれは。まぁコイツラ以外の適任はいないのは認めるがな?しかし余達を舐め過ぎではないか、この態度は。)
呆れたようにディリスは返答する
(それだけ妾達に対して心を許しているのよ。もちろん野心溢れる者でもいいといえばいいけど、それはそれで謀反とかそれては本末転倒。これくらいの扱いやすい精神を持った人選がちょうどいいのよ。それに情報の交換は些細なことでも大事。文ではなく直接聞くというのは何よりも良いはずでしょ?)
レガリアは心で納得する
(そうか、そうだな。余も少しはこやつらの仲を取り持てれば良いのだがなぁ)
この魔王、実は二重人格者である。故に分割思考が可能。この会議に出席しているのは本人自身でありそうでない。その理由はその体が鋼鉄の絡繰り人形。俗に言う機械である。故に肉体のストックは沢山あるため万が一倒されても死にはしない。
「して、ボースよ。貴様はかの国の軍に加勢していた勇者パーティーと遭遇したそうではないか。どうであった?」
「フンッ!あのような雑魚なぞオレ様の敵ではないわ!!作戦優先のため生かしてやったがな...これといって特徴のない王道であったわ」
(んなわけ無いでしょぉ〜〜!もぉーーーー!なんでこういう事言っちゃうんだろうな〜〜!!普通に強かったよアイツラ!頭狙われないように牽制したくらいだし!倒さず逃げたし!遭った瞬間に、あっ逃げよう...って思ったも~〜〜ん!!!)
「そうかバランスタイプで実力差のない平均的な構成というわけか。そうかご苦労であった。それでミリシウスよ。貴様が攻め込んでいた国はどうであった」
「...ッ....前線は...脆弱....装備も....武器も...粗く脆い...兵士も...弱い」
(う、うまく声が出ない...!まともに言えない!突出した強さを誇るものはおらず、兵の士気も低く配給されている装備も武器も粗悪品である。って言えないよ〜〜〜〜〜〜!だれかーッ!!解説して〜!!!)
「そうか、前線は容易く済むほどに敵の軍事力は低いというわけだな。そうかならばよい。しかし才あるものは突如として現れる、
「特にはないわ。書面で通してあることしか知らないわ」
(本当はすこーしだけ、ほんのすこーしだけ軍費増やしたのだけれど...まぁ大丈夫ですわよねきっと!仕方ないわ割れた食器の分ですもの。アホほどお高いけれど)
「そうか。愚問であったな。最後にシシルゼアよ、貴様はどうだ」
「はい、しかし特段これと言った新情報等はありません。現状我らが魔王軍が依然優勢です。このまま侵攻を進めれば、いずれは人類を魔族の管理下におけるかと」
(それよりも、さっさと戻ってフワフワのモフモフに包まれたい。にしてもミリシウス殿は
「そうか。全て順調というわけだな。なればもう良いか、これにてこの報告会を終了する。諸君大儀であった。これからも健闘を祈る」
かくして、魔王軍報告会は幕を閉じた。魔王はこの地の全てを掌握した時、何を見るのか?何が目的なのか?その真相はこの地にいるものでは理解できないものであった。
完
よろしければ感想やレビューなど待ってるぜ!!
そうなれば、このシリーズは更新されやすくなるぜ!!!!
次回予告 大魔皇王 ディリス・レガリア・ハザーデス
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