エキシビジョン 最終戦 1
ナイター設備の施されたフィールドでは、大勢の観客が入りエキシビジョンマッチとは思えない注目を集めている。
「エキシビジョンマッチとしては珍しく実況をさせていただきます。それも仕方ありません。今期の《マギガンスクール》ランキング一位、ダーク・ネクスト選手。そして、今回彼の決闘を受けたのは、同じく《マギガンスクール》ランキング三位、セバスチャン・フォン・アルセーヌ選手です!」
この半年間、《マギガンスクール》が休みになって、ウルを助け、マリアが依頼を持ってきて、訓練とエキシビジョン。
好感度を高めるための日々を過ごした。
できることは全てやった。
名前:ダーク・ネクスト
年齢:十六歳
性別:男性
称号:男爵子息、嫌われ者
固有能力:フルリフレッシュ
状態:体力値:1000/1000、魔力量:1000/1000
育成可能能力
体力: C 50/100
魔力: C 80/100
魅力: B 10/100
人望: B 20/100
戦術: SS 1/100
運力: B 30/100
これが今のダーク君のステータスだ。
体力よりも、魔力、魅力、人望をずっと上げ続けてきた。
一年間の成果がやっと出た。
「マスター戦闘力1万は超えています」
「まぁ、見れるようになったんじゃない」
「まだまだですわね」
見た目を気にする。ウルとマリアは魅力:Bへ上がったことで態度を軟化させてくれた。
ルビナは最初のゴミ呼ばわりの時から尽くしてくれたことを思えば真心アンドロイドマギガンレディーというキャッチフレージも頷ける。
「さぁ君たちもお披露目の時期だ。三人ともこの《マギガンスクール》が休みの期間で随分と能力を上げることができた。どこに出しても恥ずかしくないレベルだ」
それぞれの特性と苦手を把握して、私なりに彼女たちの育成を行なった。
自分が得意な夜間訓練が獣人であるウルとの相性がよく、訓練の進行度合いは一番早かった。
ルビナは一歩ずつ訓練を続けてくれて、二人にも負けないレベルになった。
そして、マリア・シリウスはセバスチャンの態度を見て、心を入れ替えてくれたようだ。
「全員倒して見返してやりますわ」
私への態度がどうのということではない。
世界がマリア嬢にどんな感情を抱いているのか、理解したのだろう。
だからこそ、態度をハッキリさせて己の力を高めることに集中することができた。
「さぁ、やってまいりました。ネクストチームは異色のチームだ。
《アンドロイドマギガンレディー》の個別タイプとして作られた一体をダーク選手が一から育て上げたルビナ選手は《マギガンスクール》ランキング戦でも知らぬほどの活躍を見せた、
ルビナが呼ばれて戦闘でフィールドに出れば歓声が上がる。
「さらに、その決勝戦で敗北したが、力を見せたマリア・シリウス嬢がまさかのダーク・ネクストチームに参戦だ!!!」
さらにマリアの登場にはブーイングと半々の歓声が含まれる。
美少女であるマリアは、一定数のファンがついているようだ。
「最後に、《マギガンレディー》としては異例の姿。獣人の特徴を持ったウル選手!!! そのモフモフな耳に触れてみたい!」
「あぁ!!」
「ひっ! どうやら威嚇はやはり獣人種のようです。綺麗な花には棘がある」
ウルは知名度がない様子で、観客たちは誰も反応がなかった。
一部の獣人を愛する一団が熱烈な歓声を上げていた。
「さて、クイーンに挑むセバスチャン陣営の紹介です」
セバスチャンを先頭に《マギガンレディー》たちが登場する。
先頭を歩くのは、小柄な体に銀髪のボブカットヘアーをしたセバスチャンの妹である。
「シルバー・フォン・アルセーヌ選手、小柄な体からは想像もできない高出力マギガンの連射は敵を圧倒する力を持つ。続いては!」
今度は銀髪ロングにセバスチャンと同じメガネをつけた、セバスチャンの姉に当たる。
「プラチナ・フォン・アルセーヌ選手! 高身長でミステリアスなクール美女は性格無比な射撃を得意としておられます。一度でいいから踏まれてみたい! 不適切な発言をしてしまいました。申し訳ありません」
最後に姿を見せたのは、セバスチャンの婚約者にして伯爵令嬢である。
「ブラウル・アイギッシュ選手! 誰もが彼女の美しさに惚れてしまう! 試合に満ちた顔は優しさの象徴とも言えます!」
万能型で全ての戦闘が可能なタイプで、弱点もないが長所もないので強みと呼べるものはない。
三人とも魅力が高いので、見た目が良い。
「さぁいよいよ戦闘が始まろうとしている! 今夜は解説にカイザー王太子にもきていただきました。カイザー様、どちらが有利だと思われますか?」
「単純な《マギガンレディー》の実力やチームワークという意味で言えば、セバスだろう。だが、ダーク・ネクストの戦法にどこまで翻弄されずにできるのかが大切だろうな」
「なるほど! 三対三になれば、戦略だけでなくチームプレイも必要になりますからね。それではいよいよ戦闘開始です!」
開始のブザーが鳴り響く。
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