試験 5
開始の合図が鳴り響いて、フィールド内で二人の《マギガンレディー》が動きを開始する。
「さて、どういった展開になるのか、予想していきたいと思います。選手紹介からですね。ランキング十二位であるダーク・ネクスト選手。
ステータス
名前:ダーク・ネクスト
固有能力:フルリフレッシュ
状態:体力値:150/300、魔力量:300/300
体力:C 1/100
魔力:F 20/100
魅力:E 5/100
人望:F 10/100
戦術:S 30/100
運力:C 5/100
「戦術に関しては目を見張るところがありますが、それ以外は並以下ですね。さすがは最下位と言われるだけのステータスです。そんな彼のパートナーは《アンドロイドマギガンレディー》ルビナ嬢」
ステータス
名前:ルビナ
能力:全方位射撃
状態:体力値5000/5000、魔力量500/500
体力:A 20/100
魔力:C 15/100
俊敏:E 50/100
命中:D 5/100
知能:E 30/100
魅力:B 1/100
「《アンドロイドマギガンレディー》として、体力が多いことは当たり前ですが、それが並以下なのはサポーターであるダーク選手と良いコンビですね。対するはイサーク・マルコ選手とエイミ選手の紹介を続けてしていきます」
ステータス
名前:イサーク・マルコ
固有能力:ジャイアントキリング
状態:体力値:2000/3000、魔力量:100/300
体力: B 30/100
魔力: E 50/100
魅力: A 30/100
人望: C 50/100
戦術: D 30/100
運力: E 10/100
名前:エイミ
能力:高速移動
状態:体力値500/500、魔力量200/300
体力:E 50/100
魔力:D 50/100
俊敏:A 10/100
命中:C 50/100
知能:F 60/100
魅力:A 6/100
「イサーク・エイミペアーは、平均値が並よりも少し高いように感じられます。これが勝敗にどこまで左右されるのか?」
実況が互いのステータスを言っている間も、戦闘は開始されている。
ルビナは体力も魔力もエイミに勝っているが、逆にエイミは俊敏さと命中で上回っている。
勝利条件
・
・体力ゲージがなくなると戦闘不能。
・相手の戦術を看破する降参。
三つのうちどれかを達成することで勝利となる。
イサークの異能であるジャイアントキリングは、相手が強ければ強いほど、《マギガンレディー》の能力を向上させる力を持っている。
だが、こちらが能力が低ければ、能力を向上させることはできない。
「開始早々にエイミ選手の猛攻が続いているぞ。縦横無尽に飛び回る高速移動は、動きを捉えさせない! ルビナ選手は、一歩も動けていないぞ」
実況は一方的に攻撃するエイミの優勢を伝える。イサークもそれに対してガッツポーズを決めている。
実際に、エイミは善戦していて、ルビナは防戦一方だ。
だが、致命傷となる一撃は入っておらずゲージとしては微々たる減り方しかしていない。
ルビナ:体力ゲージ:4950/5000
エイミ:体力ゲージ:350/500
どうやら高速移動を使うたびに体力を消耗してしまうようだ。
エイミはバイト中に訓練を兼ねているので、俊敏さや命中力は高い。
だが、筋トレや魔力強化といった基礎的な訓練が足りていない。
「おや! 善戦しているように見えていたエイミ選手は、息を切らせてしまったぞ。高速移動をやめて、通常速度に落ちてしまう」
そろそろ限界が近くなっている。
体力ゲージは半分を切ると減少速度が速くなって、体調不良状態になる。
魔力枯渇状態になれば気分まで悪くなってくる。
ダーク君が目の下にクマを作って気持ち悪い顔をしていたのは、常に魔力枯渇状態だったからだ。
「ルビナ!」
「はい。マスター。攻撃フェイズに移行します」
それまで防御に魔力を使っていたルビナが動きだす。
攻撃をしながら逃げる姿勢を見せるエイミだが、一撃を受けてもルビナは下がらない。
「エイミ先輩!」
イサークの悲痛な声が響く。
だが、そんなことどうでもいい。
相手を調査することを怠り、自分の方が強いと作戦も立てない。
これほどまでに弱く簡単な相手に負けるはずがないんだ。
「ルビナ! 一斉射撃」
ルビナが
これならば命中率が低くても一撃を当てられる可能性が高い。
「くっ! ごっ、ごめんね。イサーク君!」
エイミは高速移動を使って回避を試みたが、一斉射撃をする前に建物の影へと誘導したこともあり逃げ場が限定されて一撃を浴びてしまう。
これまで動き回っていたことで体力を消耗していたことも敗因の一つだ。
たった一発当たったエイミは動きを止めて、続け様に着弾したことで完全に沈黙した。
「なっ! なんとたったの一回の攻撃で決着をつけてしまった!!! 《マギガンスクールランキング戦》第一試合は、ダーク・ネクスト&ルビナチームの勝利だ!!!!」
実況の言葉を聞いて、ルビナさんとダーク君はスタジアムを後にする。
控え室に退出する廊下で一人の人物とすれ違う。
「相手の弱点をついて勝つのは楽しいか? 雑魚は必死だな」
オレンジ色の髪にカウボーイハットを被った筋骨隆々な荒くれハンター、ケイン・バンデット。
身長も体格もダーク君よりも遥かに大きな彼は、グラマラスな金髪美女を連れてダーク君の横を通り過ぎる。
「ボクに勝ててからいってくれ、口だけ筋肉ダルマ」
僕を殴ろうと腕を振り上げるが、ルビナがその拳を受け止める。
金髪グラマラス美女はルビナの行動に口笛を吹いた。
「女に守られてんじゃねよ!」
「お前はバカだな。女性の方が強いのが当たり前だろ?」
ボクはそれ以上相手をする気がなかったので、ルビナに放してやるように言って相手をしなかった。
「次は俺様が相手をしてやる! クソ野郎が!」
中指を立てるのはやめて欲しいの、余計にバカに見えるぞ。
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