アンドロイド少女の名前は?

「戦闘力2。ザコですね」

「なっ!」

「魅力G、人望G、魔力G。ザコでしかありません」


 おーい、課金さん。

 全然、真心アンドロイドさんではありませんよ〜!


「言い直すなよ! ぼっ、ボクはザコじゃない! 天才だ!」

「天才? 確かに戦術はSですね」

「そっ、そうだよ。ボクは天才なんだ」


 ダーク君必死ですね。

 会話も私ができればいいんですが、なかなかうまく行きません。


「改めまして、マスター。私はAー0556タイプ。新名ルビナ? です」

「なっ、なんだよ。別にいいだろ!」

 

 真心アンドロイド少女ルビナさんと命名しました。

 昔買っていた猫がルビーだったので、一文字を変えてルビナです。


「いえ、別に好きにつけていただいて構いません。それでは何からトレーニングをしますか?」


《マギガンレディー》として彼女を育成するため、彼女はトレーニングを求めているようです。


「そっ、そうだな。まずは夜間訓練からだ」


 まぁ、ダーク君って自主練か、夜間訓練、それに不眠不休で無理する訓練しかできませんからね。


「わかりました。夜間訓練では何を鍛えますか?」


 おお! ゲームっぽくなってきましたね。

 男性のサポーターと女性のステータスには違いがあります。

 男性は男友達や女性関係といった人間関係の能力値を上げる訓練が多く存在します。


 逆に女性のキャラは、自分の力を鍛えて、《マギガンレディー》を目指す訓練と、見た目を良くして人気を集める訓練の二種類がメインになります。


名前:ルビナ

年齢:0歳

性別:女性

称号:アンドロイド、ダークの相棒

能力:全方位射撃

状態:体力値5000/5000、魔力量500/500


育成可能能力


体力:A 1/100

魔力:C 1/100

俊敏:F 1/100

命中:E 1/100

知能:E 1/100

魅力:B 1/100


 おおおお! 体力Aはすごいですね。

 アンドロイドということもあるんでしょうが、体力が多く存在するということは訓練をしても疲れません。

 

 それに敵からの攻撃を受けても、倒されないのでかなり有利です。

 ハードモードだと思っていましたが、やはり課金美少女。

 

 かなり高ランクの美少女なのですね。 

 ですが、スピードがかなり悪い。

 ロボットって早く動くイメージでしたが、遅すぎてマトになってしまいます。

 

 しかも、命中も悪いので、魔導銃マギガンを打っても当たりません。

 攻撃力と魔力があるのに、当たらないとか最悪なのでは? 


 知能は、まぁ生まれたばかりですからね。

 これからに期待です。

 

 魅力は、やっぱり高いです。

 水色の髪に水色の瞳、スレンダーながら整ったプロポーション。

 もっとロボット感があるかと思いましたが、見た目は普通の美少女です。


「マスター。視線がキモいので見ないでいただけますか?」

「なっ!」

「進言をお許しいただけますか?」

「なっ、なんだよ。ボクにまだ文句があるのか?」

「はい。一万個ほどありますが、そうではなく。訓練内容についてです」

「お前の方から訓練内容? なんだ言ってみろ?」


 おや? アンドロイド美少女は、基本的にダーク君に絶対服従で何か発信することはなかったと思いますが、この辺は課金しようなのでしょうか?


「魔力と魅力が雑魚過ぎるので、見られるだけで吐き気を覚えます。ですから、魔力と魅力の底上げからお願いします」

「なっ!」

「魔力は私との連結にも関係があります。マスターが雑魚ですと私も力を上手く発揮できません。ですから、魔力量の強化は急務です。そして、魅力はマジでキモいです。見た目がキモいのは仕方がありませんが、マスターに見られているだけで気持ち悪くてショートしそうです」


 あまりにも辛辣な言葉に、言い返すことができません。


 ですが、言っていることは理解できます。


 そして、私としてももう少しその二つはあげなければいけないと思っていたところです。

 ダーク君が戦術Sということもありますが、私自身もこのゲームを何度も攻略したものとして、戦い方は心得ているのでその辺はもういいでしょう。


 ですから、転生したからこそ改善をしていきます。


「わっ、わかった。《マギガンレディー》を手に入れたんだ。これからはより実践的なやり方が大切だからな!」


 ダーク君は、私の意思とルミナの想いが伝わってくれたようです。


「その代わりお前も命中の訓練をしろ!」

「かしこまりました」


 おや? 反論されませんでした。

 魅力が低い場合は、女性たちは反論してサボってしまったりします。

 まだ、一回目だからでしょうか?

 まぁ、そこはいいとして、私は魅力と魔力量を上げることを始めました。


 魅力アップの方法は至極簡単です。

 毎日決まった時間に睡眠をとり、栄養がある食事を食べ、顔を洗い、髪を整え、部屋の生活感を保ち、寝る前にパックをして保湿をします。


 睡眠はクマを作ってしまった顔を戻さなければいけません。

 睡眠貯金が枯渇しているために体力も半分しか回復しません。


 食事は栄養ゼリーだけだったので、食堂に言って三食きちんと食べます。

 今までまともに食事をしていなかったので、最初はすぐにお腹がいっぱいになって、苦しくなりましたが、一週間も続けているとしっかりと食べられるようになりました。


 朝起きたなら顔を洗い。

 髪の毛をセットして。

 部屋の清潔さを保ち。

 お風呂に毎日入り。

 寝る前に三十分だけ、パックをしてから寝ます。


 これは二年生になって後半になると選択できる美容方法です。


 当たり前のことに見えますが、案外当たり前ができていないものです。

現時点で自ら動けば全てが行えます。

 しかも、それ用のアイテムは学園側がアミューズメントグッズとして常に備え付けてくれているので、やりたい放題です。

 

 魔力アップは、二つの方法があり。

 

 一つは魔力循環法と呼ばれる専用の魔導具を使って、魔力を感知しながら何度も魔力を動かすことで少しずつですが、魔力経験値を上げられる。

 

 もう一つは、魔力枯渇法です。

 魔法銃を撃って魔力を消費させて魔力を枯渇させて、回復する際に経験値が大量に得られるのです。

 こちらの方法は枯渇と言う苦しみを乗り越える際に、頭痛と吐き気、全身の倦怠感という最悪の体調不良を味わう代わりに、一度の経験値が大きいのです。

 

 どちらをしていくのか? もちろん両方やります。


 授業中は、魔力循環法を行える魔導具を教室に持ち込んで、まともな授業ができないために自分なりの自習として行います。

 夜間訓練時に、魔力枯渇法を行っては、死ぬほどしんどい思いをして魔力を増幅させていくのです。


「ヤバい! これはマジでヤバい!」


 自分が選んだ選択の最悪さを思い知らされました。

 頭はガンガン割れそうな痛みが走り、トイレに駆け込んで吐きまくる。

 体はぐったりとしんどくて重くなり、三時間ほど我慢すると復活するのだ。

 これを一日二回まで行って一週間を過ごしました。


「多少はマシになったようですね」


 ステータスを表記して、一週間の経験値を確認します。


 魔力 F 15/100

 魅力 G 87/100


 魔力は苦しんだ分、一気にランクが上がってくれました。

 魔力量も10/100だったのが、50/200に成長して、これで《フルリフレッシュ》が使えるようになります。


 効果は大きいのですが、MP50の消費はデカすぎです。 


 魅力は最初ですので、一気に上がりましたが、ここからは上がりにくくなっていくので、続けるしかないですね。


「戦闘力5、ゴミは所詮ゴミですね」


 そういうルビナさんは命中の訓練を一週間続けたようです。


 E 30/100


 伸び悪! お任せで訓練をさせるとここまで伸びが悪いのですね。

 好感度が低いので、命令しても効果値が悪いのでしょうね。

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