第12話
おぉっ女の子いるんじゃん。
少し小柄で、髪も肌も眼も色素が薄い。
うきうき。
雪兎って感じ。
真向かいに席を構える。
「見ない顔だね」
にこにこ笑い掛けながらお近づきになりたい姿を見せる。
ちらりこちらに視線をくれたので俺に気が付いた。
うん。
いいぞ。
正面から顔捉えても可愛さ変わんない。
「俺最近此処入って。
分かんない事多いんだよね。
色々教えてくれたら嬉しい。
君可愛いし。」
首傾けて、じっと見る。
白い手を差し出されて、うわぁいきなり手に触れてもいいのかよって。
手を出すとせ、隣の奴がはたいた。
俺の!手を!
ぅおい!
「何っすんだよっ!!!」
いきなり!折角!あぁもう!!
席立ちあがって、
「どういった料簡だぁー?あぁ?」
頭頂部見下ろしながら、飯食い続けるこいつ何もんだー?
親衛隊とかいるのか?それとも男ー?
こっち一個も見ないで、
「早く食べて終え」
とだけ言われた。
「常に無事と思うなよ」
とも。
「手前の膳だけ食えよ」
と返しながら慌てて席について、
真向かい見ても居なくなってた。
「お前が俺の時間無駄にした。」
と澄まして食ってる横顔向けて責めると、
「お前こそ俺の時間を無駄にしてる」
と飯に向かって喋ってるんで、
「何処の門だよ」
って言った言いたくなった。
「お前失礼な奴だな通常自分から名乗る。」
って言われながら立ち上がられ、
俺は御馳走さんだって残して立ち去られる。
何だか地団太踏みたくなるような悔しさだけ残る。
何だよ何だよ彼奴奴。
「いただきます!」
今日はご飯と海苔の佃煮と焼いてる鶏肉。
ぱちっと手を叩いて飯食って全身整えるに限る。
満月になると人が何処かに向かう。
熱っぽい高まりを感じる。
5~6人一斉に同じ動きをして、
同じ刻で木陰に隠れ、
同じ刻で動く。
四方にばらけたり
くっ付いたり
分散が追い辛さに直結する。
息が上がる。
きっと追われているのに気が付かれてる。
2度目は滅茶苦茶ながら辿り着く。
1度目は見失った。
広場だ。
何にもない。
信仰の対象なのか。
満月の日に祈りを捧げる。
森の中に…
ふと肩を叩かれる。
はぁ…
気が付かなかった。
首やられたって、これじゃ気が付けない。
残念だったな
そう残して、
対象1は消えた。
振返る時には闇に紛れて。
お前の命位狙えるんだよって啖呵なのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます