第24話 あわあわおはぎ
タオルで石鹸をこれでもかというほど泡立てて、いざ!
「おはぎ、おいで」
『にゃう?』
特に警戒心も何も抱いていないおはぎは、すぐに私のところへ来てくれた。
……泡が苦手じゃないといいんだけど。
そう思いながら、泡のついた手でおはぎの背中を撫でる。少しずつ慣らして、その後は可能な限りスピーディーにシャンプーを!!
『にゃっ!?』
泡が体についたおはぎは驚いたみたいで、か細い感じの声をあげた。
「ごめんね、おはぎ。綺麗にしてあげるから~~!」
『にゃにゃにゃ』
私は泡を追加して、おはぎの背中やお腹周り、を泡まみれにしていく。
すると、最初は『にゃっにゃっ』と声をあげていたけれど、次第に『にゃ~』と落ち着いた声を出すようになった。
……もしかして、慣れた?
おはぎの順応の高さには驚くばかりだ。
そのまま顔周りもあわあわにしていくと、すぐに全身あわあわおはぎが誕生した。もふもふではなくあわあわなおはぎもいいね。
「汚れは……うん、やっぱりあるよね」
おはぎを洗っていくと、真っ白だった泡が少し茶色くなった。
うちの屋敷にいたときからずっと外で暮らしていたので、おはぎが自分でお手入れをしているといっても、汚れがたまってしまうのは仕方がない。
……私とキャンプもしてるしね。
『にゃう?』
「大丈夫だよ、綺麗になるからね。……これからは、こまめにシャンプーしてあげてもいいかもだね」
私は十分おはぎを洗って、温泉をかけて泡を流していく。
『にゃ~』
「気持ちいいねぇ~」
泡の洗い残しがないように、しっかりお湯を流していく。猫は自分の毛を舐めるので、泡が残るなんて言語道断だ。
それから何度か泡を流して、おはぎのシャンプーが完了した。
「よしっ、綺麗になったよ! 絶世の美女だね~!」
はあ~~、うちのおはぎが世界一可愛いよ~~~~!
「あとはタオルでしっかり拭いて――」
『にゃうっ!』
「きゃっ!」
私がタオルを取ろうと手を伸ばした瞬間、おはぎがブルルルッと体を震わせて、体についた水を飛ばしてきた。
私の顔にもかかって、思いがけないダメージだ。まあ、裸のままだから別に水がかかるくらい問題はないけど。
「ほら、拭くよおはぎ~!」
『にゃにゃっ!?』
なぜか逃げようとしたおはぎを捕まえて、私はタオルでわしゃわしゃ拭いていく。水が残ったままでは、風邪を引いてしまうからね。
思ったよりも吸水性の高いタオルだったみたいで、おはぎの濡れた毛が次第にもふもふに戻っていく。
「うん、いい感じ」
それから追加で二枚ほどタオルを使って、もふもふだけどうる艶で美しいおはぎが誕生した!
は~~~~、やっぱりおはぎが世界一可愛かった!
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