第12話 お買い物終了

 布の加工には少し時間がかかるということなので、後で引き取りにくることになった。なので、今のうちに食料品を買うことにする。


「まずはやっぱり――お肉!!」


 これは絶対に外せない。

 精肉店へ行くと、動物と魔物の肉の両方が売っていた。お値段的には、安い魔物の肉、一般的な家畜の肉があり、その後に値段が上がって魔物の肉がある。

 この世界の魔物のお肉は結構美味しいのだ。ただし安い魔物の肉は不味くて食べられたものではないので、それだけは注意が必要だ。


 私は精肉店へ入り、さてどれがいいかなと物色する。


『にゃ~!』

「おはぎはこれがいいの?」

『にゃうぅん~』


 とても可愛いお返事がきた。

 おはぎが選んだのは、鶏のもも肉だ。


「じゃあこれを買おうかな。あと鶏むね肉も買っておこう」


 おはぎのお食事のために、精一杯頑張らせていただきますよ!

 ほかには牛肉と羊肉とソーセージを購入し、精肉店を後にした。これで美味しいお肉を食べることができるね。


 ほかにも調味料を始め、目についたものを購入していく。


「あとは野菜を買えば食料は大丈夫かな?」



 八百屋へ行くと、ミツナスという初めてみる野菜が売っていた。

 色は淡い黄色だけれど、形がナスだ。ナスの色が淡い黄色……というのが一番近いだろう。


「すみません。これって、どうやって食べるんですか?」

「ああ、これは輪切りにして焼けばいいのよ。パンに載せて食べてもいいし、チーズと一緒に焼いても美味しいわよ。中に蜂蜜が入っていて、それが調味料の代わりになってるの」

「へええぇぇ~!」


 世の中には面白い野菜があるものだ。

 私はミツナスと、キャベツやレタスなどの葉野菜を少しと、多めに根菜類を購入した。

 ちなみにその後はダッシュでチーズを買いに行った。チーズは忘れちゃ駄目、絶対!



 荷物が重くなってしまったので、街の外へ行ってキャンピングカーに荷物を積み込んで街へ戻る。


「そろそろ布の加工が終わる時間だから、取りに行こうか」

『にゃ!』


 私の頭の上に乗っているおはぎが元気よく返事をしてくれた。




 道具屋に行くと、私のタープもどきができあがっていた。


「待ってたよ。いい感じに加工できたと思うけど、どうだい?」

「最高の手触りです!!」


 これならキャンピングカーのドアの外あたりをリビング的なスペースにすることもできるだろう。夢が膨らむ。


 私は布のほかにも、目をつけていた小さめの調理器具や食器類を始めとして、こまごまとした冒険必需品と思われるものを購入することにした。

 これで、いつでもキャンプができるはずだ。


 あとは……。


「この短剣も一緒にお願いします」

「はいよ」


 ここは武器屋ではないけれど、小さい短剣は売っていた。今のところ魔物と戦う予定はないけれど、これくらいは持っていた方がいいはずだ。

 初めて持った短剣は、ずしりとした重さがあった。



 こうしていろいろと買い物を終えた私は、再びキャンピングカーで走り出した。

 隣国までは、あと一日か二日で到着するはずだ。そうしたら、もっとのんびりすることもできるだろう。


「よーし! かっとばすよ、おはぎ!」

『にゃっ!』

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