居るだけ

文字は優しく言う

複雑なものを形にして

整理してしまえと


あいにく整頓は嫌いで

私は紙を引き出しに入れて

夜の2時に窓外を見る


迫り上がる不安は

とりとめもないもので


あの街灯のにじみ

鉄塔の赤い航空障害灯

それらを結ぶ無数の

可能性の数だけあって


星座の無粋さを思い出し

形作るをやめた


私は枕の地で

夢が自然にまとまるのを

ただ黙って眺めていた

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燐光と汚泥の詩集 唯六兎 @rokuusagi

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