君はいろいろなものを爪弾いてきた

紙や葉のゆらめき

プラスチックや合皮の軽さ

鉄や石の重厚感

人の手や食肉はむにむにしていたと君は言う

だけどそうした感覚は

ミルクティーの沈殿物のようになって

脳のシワに吹き溜まり

君の思案投げ首につられて

たまにずるりと移動するだけ

その時よく抜け落ちるらしい

人差し指に差し込まれた

透明な爪の画像データ

あるいは銀塩写真の一、二枚

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