瞬間の夢

さあ紫電、紫電

嵐夜の隙間を

一つ手軽く縫う前に

いっとき夜風が澱んでは

降る雨粒も逆立って

雲間から下界を望むには

電子の体が眩しくて

叫ぶ人間

泣く人間

息づく人間を憑座にした

繊細な水晶体の生き方を

夢見てた


地に落ちた鉄塔が

爛れた皮膚に雨粒を受けて

ああ今日も痛い痛いと

目をしばたいている

目をしばたいている

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