―弐― 岩の音

見た目が一番だよな

と誰かが言った


それが僕には、当たり前に正しく思えて

でも反論したい気持ちもあって


はがゆく にがにがしく わずらわしい


分かっている筈の事が紐解けない

と言う風な感じ


あ、岩のように

ゴツゴツとして


それでいて苔むして

涼しげ


そんな風がいい


誰にも理解されない


風が吹き抜ける時の涼しい音色

日差しと影の織り成すハーモニー


それがいい

そんな風な人がいい



見た目がどうとか、

あまり関係なくて


大事なのは内面なのでは

ないかなと誰かが言った


それが正しいのか、僕には分からなくて

でも、間違ってるとも言えなくて


もどかしく かゆがゆしく 忌々しい


手の届き そうで届かない

そんな感じ


えっと、あの岩のように

強固として


それでいてひび割れているのに

永い時に在り


そんな風がいい


誰にも理解されない


雨が跳ねる時の心地よい音色

岩陰と織り成す癒しのハーモニー


それがいい

そんな風な人がいい



見た目とか内面とか

では無くて


大事なのはやはり肩書きであると

誰かが言った


それは僕には正しいように思えて

でも間違っているとも思えなくて


じれったく くるぐるしく 腹立たしい


頭では解かっていても身体が追いつかない

と言った感じ


あぁ、岩のように

ドッシリとして


それでいて削れている儚さの

不均衡


そんな風がいい


誰にも理解されない


それでもいい


そんな風な人がいい

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