第2話 知識の外側からこんにちは! からあげ定食

 こんにちは。

 自分は大山寺 璃です!

 普通電車しか止まらない大山寺駅が苗字のルーツで、瑠璃の”り”が”あき”と読んで、大山寺 璃です。

 突然ですが、自分はどこにいると思いますかー?

 答えは……岩倉市図書館の自習室です。

 私は学生ですので、夏休みの間はこうやって図書館で勉強しています。

 入口から中央に歩いて窓が見える席が自分のお気に入りの場所です。

 そこにはあるお店が見えるからです。

 それはシュガータイム!

 アパートの一階にある小さな喫茶店です。自分のおかあさんとおとうさんと同じ年齢の人が、そこで働いています。

 そして店内はレトロ調かと思わせるような黒い大きなソファーがあるんです。

 そのソファーは固めのソファーです。座り心地がいいんです。

 私は勉強の息抜きとして、そこに行こうかと思っていたんです。

 その理由は大盛だからです。

 学生は食べ盛りというでしょう? だから、行くのです。

 そのお店はモーニングがあるんですが、あえて量の多いランチタイムを狙います。

 ランチタイムにしかない唐揚げ定食が最高に美味しいからです。

 私は勉強の用具をしまって、図書館から出ました。

 そしてその図書館から徒歩5分。

 シュガータイムに到着です。

 お店に入る前にちゅうもくー!!

 今日のサービスランチが書いてあるボードがあるじゃないですかー。

 ふむふむ、今日は【ミンチカツ】ですか。

 でも、やはりからあげ定食です。

 自分はこのお店に来たらこれと決まっているんです。

 じゃあ、なんで見たか。

 これもこのお店の楽しみだからです。

 きまぐれによって今日のランチが変わる。その楽しみがあるんです。

 さて、店内に入りましょう。

 シュガータイムが可愛い英語で書かれた屋根をくぐって、扉を開けます。

「いらっしゃい。どこでも座っていいよ」

 女の人が働いていました。

 私は窓際のソファー席に座りました。

 そしてメニュー表を見ることなく、女の人を呼びました。

「からあげ定食でお願いします!」

「量は多いけど、大丈夫?」

「ご飯は少な目でお願いできませんか」

「できるよ」

「お願いしますー!」


 この待機時間も自分は好きです。

 男の人と女の人が仲良くお話しているのを聞いているのが、私の楽しみなのです。

 そしてついに来ました。

「唐揚げ定食だよ」

 6つの唐揚げが大きなお皿に乗り、そして副食のキャベツ、トマトも乗っている。そして味変のレモンが乗っていた。

 そしてまだまだ届くのです。

「これもね」

 小さな器に乗ったきんぴらごぼうと大きめに切ったリンゴが二欠片。そしてご飯と、お味噌汁に漬物。

 これがシュ〇ータイムの唐揚げ定食です。

 どうですか?

 実際に食べてましょう。

 まずはメインの唐揚げからです。

「ん」

 狐色に仕上がった衣へと一口分ほおばる。

 衣が歯でかみ砕かれて、カリッと割れる音が届く。

 そして衣の中に貯められた肉汁がジュワ……!と喉になだれ込んでいく。

 さらにフワッとした肉のふくらみが口の中に入っていく。

 これは、唐揚げというより、感触は北海道にあるザンギに近いです。

 お肉は淡泊ですが、肉のふくらみに閉じ込められた肉汁がほどよい香りづけになっています。肉の香りを生かしていますよ、これー!

 そして手ごろな大きさにまとめられたザンギがあと5個残っているのですよ。

 これは、お手頃じゃありません!?

 そしてお味噌汁もおいひぃです。

 具材は少なめですが、お味噌の程よい香りと味を一杯に詰め込んでいます。

 お漬物もそうです。

 コリッとした白菜のお漬物が口の中を整えてくれます。

 またご飯も美味しいですー。漬物や唐揚げ、お味噌汁があってこそ、ごはんは進むのです。

 自分は残り3個まで食べました。

 ここでレモン選手の入場です。

 自分は残る3つにレモンをかけました。

 レモンの甘酸っぱい汁が唐揚げの表面を滑っていきます。透明な汁が川のようにお皿に乗っていきます。

「はぐっ!」

 自分は味変した唐揚げへと食いつきました。

「んぅぅぅ!」

 味変した唐揚げはさらなる高みへと上っていきました。レモンの酸っぱさが唐揚げの衣に吸いつくことで、甘い唐揚げが出来上がるのです。

 唐揚げにマヨネーズとは違う別の鋭い甘さです。

 その勢いのまま、自分は唐揚げを食べ終えました。

 気持ち的にもまんぷく。お腹的にもまんぷく。

 やっぱり、ここの唐揚げはいい。

 その理由は、食べることを目的としない。味を味わうことを目的とするお店だからだ。

 だから、自分は唐揚げ定食を頼むのだ。

 自分は味直しのリンゴを食べました。

 脂身のある料理の後のリンゴはさっぱりしていました。

 まるで、程よい甘さの砂糖水で喉を潤したかのような感覚です。

「ごちそうさまです」

 今の時間を見ると、13時だ。

 まだ図書館は開いている。

 また行くシュガータイムを後にして、自分は図書館へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たまに行きたいお店です。

お店が無くなる前にぜひともメニューの一部だけでも小説として残しておきたいくて、書きました。

ここの定食はチェーン店とは違う味わいがあります。

駐車場はありませんが、近くに図書館があるので、図書館を利用してからこのシュガータイムを利用して、ぜひとも食べてください。

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