独特な感性が魅力のエッセイ風掌編集

実話か否か。
分からないのがまず魅力。
「花」さんは作者なのか、それとも作者が作り出した架空の人物なのか。
それすら分からない作品概要ながら、語り口はエッセイ。

「花」さんの感性に笑いつつ、でも時々かなり共感できるから面白い。

何十年も前の話で申し訳ないのだが、
小学校の学級文庫にさくらももこさんのエッセイが置いてありました。
当時、面白くて読みふけった覚えがあります。
それを思い出しました。
言葉のちょっとしたチョイス、日常の何気ない風景へのツッコミ、関わる個性豊かな人たち。

虚実織り交ぜて語られる魅力的なエッセイです。
作品の根底に流れるどこか孤独で繊細な雰囲気も、文学的な香りを醸し出していて魅力的です。